セッション情報 |
ポスター
肝 PBC
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タイトル |
P-073:原発性胆汁性肝硬変(PBC)および自己免疫性肝炎(AIH)にみられるインターフェイス肝炎の免疫病理学的相違に関する検討
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演者 |
小林 水緒(金沢大学医薬保健総合研究科形態機能病理学) |
共同演者 |
角田 優子(金沢大学医薬保健総合研究科形態機能病理学), 原田 憲一(金沢大学医薬保健総合研究科形態機能病理学), 池田 博子(金沢大学病院病理部), 中沼 安二(金沢大学医薬保健総合研究科形態機能病理学) |
抄録 |
目的:PBCとAIHは代表的な自己免疫性肝疾患で,PBCでは肝内小型胆管の慢性非化膿性破壊性障害が,AIHでは限界板でのインターフェイス肝炎(IFH)が特徴である.しかし,PBCでも種々のIFHを伴うことがある.今回,AIHとPBCのIFHでの免疫環境を検討した.方法:門脈域/門脈域周囲の炎症の程度を0-4の5段階に分類し,スコア2以上のPBC38例とAIH23例の肝針生検を対象とした(1993年~2012年に当院,関連病院で経験).免疫染色(CD38,CD20,CD3,CD4,CD8,CD68,IgG,IgM,IgA)を行い,2か所の門脈域での陽性細胞の程度を半定量的(0-3)に評価した.AMA,ANA,GOT,GPT,ALP,IgG,IgM,IgAとの関連性も検討した.結果:1)炎症細胞の表現型:CD38+細胞がPBCで2.7±1.5,AIHで3.7±1.6,CD3+細胞がPBCで2.7±1.2,AIHで3.6±1.2で,AIHでやや高値であったが有意差なし.CD68+細胞はPBCで2.1±1.0,AIHで2.2±1.3で両群で差なし.CD20,CD4,CD8は両群での浸潤はいずれも軽度で差なし.IgG+形質細胞はAIHで,IgM+形質細胞はPBCでやや多くみられたが有意差なし.2)検査成績との比較:PBCで,CD38+とCD3+細胞の浸潤程度とGOT,GPT,IgG値との間に正の相関がみられた.結論:AIHではCD38+,CD3+細胞,IgG+形質細胞がやや多く,PBCではIgM陽性細胞がやや多くみられ,IFHでの免疫環境の違いを反映すると考えられた.PBCでは,CD38+細胞とCD3+細胞の浸潤程度とGOT,GPT,IgGの値に正の相関があり,これらの免疫細胞が肝細胞傷害の発生に関係することが示唆された. |
索引用語 |
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