セッション情報 | ポスター小腸 診断 |
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タイトル | P-080:カプセル内視鏡による全身性エリテマトーデス(SLE)患者の小腸病変の検討 |
演者 | 三浦 匡央(順天堂大学医学部消化器内科) |
共同演者 | 澁谷 智義(順天堂大学医学部消化器内科), 倉下 恵里奈(順天堂大学医学部消化器内科), 草間 ひろみ(順天堂大学医学部消化器内科), 野村 収(順天堂大学医学部消化器内科), 小西 正恵(順天堂大学医学部消化器内科), 福生 有華(順天堂大学医学部消化器内科), 松本 健史(順天堂大学医学部消化器内科), 坂本 直人(順天堂大学医学部消化器内科), 長田 太郎(順天堂大学医学部消化器内科), 永原 章仁(順天堂大学医学部消化器内科), 荻原 達雄(順天堂大学医学部消化器内科), 渡辺 純夫(順天堂大学医学部消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】全身性エリテマトーデス(SLE)は全身疾患であり,様々な部位に病変を呈する疾患である.ほぼ半数の症例が消化器症状を訴えると言われているが,従来の検査法ではループス腸炎を同定できる症例は少なく,カプセル内視鏡での報告も症例報告のみである.今回,カプセル内視鏡を用いてSLE症例の小腸病変の頻度,内視鏡所見の特徴を検討したので報告する.【方法】対象は,SLEでOGIB(obscure gastrointestinal bleeding)のためにカプセル内視鏡を施行した症例で,非ステロイド系消炎鎮痛剤を内服中の患者は除外した.小腸粘膜傷害の程度はルイススコアで評価し,SLE活動性はSLEDAIを用いて点数化し比較検討した.【結果】症例は6例(男性1例,女性5例)で,平均年齢は33.2歳(15-55歳)であった.occult OGIB 4例,overt OGIB 2例であった.Hb平均7.6 g/dl(6.7-11.5),TP 5.2 g/dl(3.6-7.6),Alb 2.1 dl(1.5-2.8).カプセル内視鏡によるルイススコアは平均1573点(270-5520)であり,全例で小腸口側1/3に病変を認め,中間部,肛門側1/3にも病変を認めたのはそれぞれ5例,3例であった.形態は発赤調の小びらんが多かったが,2例では1/4周性の深掘れ潰瘍など多発小腸潰瘍を認めた.SLEDAIは平均16点(2-36)であり,SLEDAIの高い症例ほどルイススコアも高かった.腹部CTでは1例で腹水を認めるのみで,壁肥厚を認めた症例は1例もなかった.【結論】カプセル内視鏡はCTでは指摘できないSLEに伴う小腸病変の診断が可能であった.ループス腸炎合併の評価にはカプセル内視鏡を積極的に施行した方が良いと考えられた. |
索引用語 |