セッション情報 | ポスター小腸 診断 |
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タイトル | P-081:Sever obscure-overt gastrointestinal bleedingに対する緊急カプセル内視鏡を用いた治療アルゴリズムの検討 |
演者 | 平川 昌宏(札幌医科大学第四内科) |
共同演者 | 佐藤 康史(札幌医科大学第四内科), 大沼 啓之(札幌医科大学第四内科), 保木 寿文(札幌医科大学第四内科), 山内 夏未(札幌医科大学第四内科), 林 毅(札幌医科大学第四内科), 佐藤 勉(札幌医科大学第四内科), 宮西 浩嗣(札幌医科大学第四内科), 瀧本 理修(札幌医科大学第四内科), 小船 雅義(札幌医科大学第四内科), 加藤 淳二(札幌医科大学第四内科) |
抄録 | 【背景と目的】カプセル内視鏡(CE)の普及により,低侵襲で簡便に小腸疾患のスクリーニングが可能となった.しかし,顕在性小腸出血に対する緊急CEの有用性を検討した報告は少なく,その位置づけについても施設間で一定の見解は得られていない.当科では顕在性消化管出血のうち,バイタル異常(収縮期血圧100mmHg未満または脈拍数101回/分以上)を伴うか,赤血球輸血を必要とし,且つ上・下部消化管内視鏡検査を行っても原因が特定できないものを,severe obscure-overt gastrointestinal bleeding(OOGIB)と定義し,緊急CEの適応としてきた.今回,sever OOGIBに対する緊急CEの有用性と治療アルゴリズムにつき検討したので報告する.【対象/方法】2009年1月から2012年8月までに当科でCEを施行した全175例のうち,severe OOGIBに対し緊急CEを施行した24例(男性13例,女性11例,平均年齢68.3歳)を対象とし,retrospectiveに解析した.【成績】来院時からCE施行までの時間中央値は21(3-48)時間であった.CEにて活動性出血を認めたのは16例(66.7%)で,出血の原因を特定できたのは20例(83.3%)であった(血管病変12例,びらん・潰瘍性病変6例,腫瘍性病変2例).検査による偶発症は認めなかった.原因を特定できた20例の治療としては,CEの所見をもとに1例は保存的治療,17例は適切なルート選択のうえダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)による止血術,2例はDBEによる止血は困難と判断し手術を施行した.DBEを施行した症例のうち,経口または経肛門的な単回のアプローチで止血可能であったものは13例(76.5%)であった.【結語】sever OOGIBに対する緊急CEは低侵襲に施行することができ,且つ,その後の治療方針の決定に有用であった.sever OOGIBにおける緊急CEを用いた治療アルゴリズムをもとに,その他のモダリティーとの有用性の比較検討も必要と考える. |
索引用語 |