セッション情報 ポスター

小腸 診断

タイトル P-082:

当院におけるカプセル小腸内視鏡施行例の検討

演者 中畑 孔克(昭和病院消化器科)
共同演者 桑田 博文(昭和病院消化器科), 樋口 和秀(大阪医科大学第二内科)
抄録 [目的]カプセル小腸内視鏡(capsule endoscopy:以下CE)の登場により日常臨床において小腸病変の観察が容易となった.今回,市中病院におけるCE検査施行例の実態について検討した.[方法]当院にCEが導入された2011年7月1日から2012年8月31日の期間に検査を行った21症例について臨床的検討を行った.[結果]年齢は41歳から89歳(平均70.7歳),性別は男性14例/女性7例であった.検査目的は貧血精査や下血などの原因不明の消化管出血(obscure gastrointestinal bleeding:以下OGIB)17例,腹部不快感2例,小腸検査希望2例であった.全例において全小腸が観察可能であり滞留例は認めなかった.所見としては重複例もあるが特記事項なし4例,angiodysplasia6例,点状発赤4例,びらん3例,潰瘍2例,ポリープ2例,その他3例(憩室/孤立性静脈拡張/胃粘膜下腫瘍1例ずつ)であった.またOGIB症例での有所見率は88.2%,それ以外を主目的とした場合は4例中2例と50.0%であり,そのうち出血性所見を認めた1例では抗血小板療法/抗凝固療法を行っていた.さらに全症例中で出血性所見を得た11例のうち抗血小板療法/抗凝固療法を行っていたのは7例と63.6%を占めていた.逆に抗血小板療法/抗凝固療法を行っていた11例のうち10例にはなんらかの小腸病変を認め,そのうちの3例を除いた7例(63.6%)には出血性所見を伴っていた.なお今回の検討症例ではNSAIDs内服例は認めなかった.[結論]OGIB症例での小腸病変有病率は高く,特に抗血小板療法/抗凝固療法中の患者には高い確率での出血性所見を認めることから無症状であっても積極的な小腸病変の検索が必要と考える.
索引用語