セッション情報 ポスター

小腸 診断

タイトル P-083:

当院における小腸腫瘍の現状について

演者 三浦 みき(杏林大学医学部第3内科)
共同演者 齋藤 大祐(杏林大学医学部第3内科), 平野 和彦(杏林大学医学部病理学教室), 櫻庭 彰人(杏林大学医学部第3内科), 山田 雄二(杏林大学医学部第3内科), 林田 真理(杏林大学医学部第3内科), 徳永 健吾(杏林大学医学部第3内科), 小山 元一(杏林大学医学部第3内科), 正木 忠彦(杏林大学医学部消化器一般外科), 大倉 康男(杏林大学医学部病理学教室), 杉山 政則(杏林大学医学部消化器一般外科), 高橋 信一(杏林大学医学部第3内科)
抄録 [目的]2002年以降,当科で診断された小腸腫瘍は27例である.CE(カプセル内視鏡),DBE(ダブルバルーン内視鏡)導入後に診断された症例は20例である.今回当科における小腸腫瘍に対するCE,DBEの有用性について検討した.[方法]2002年から2012年の10年間で,当科で診断された小腸腫瘍27例を対象とし,背景,診断・治療などについて検討した.[結果]男女比は12:15,平均年齢は66.8歳(47-83歳)であった.罹患期間は,1~36ヶ月と診断までに時間を要する症例もあった.症状は消化管出血11例(タール便9例,血便2例:41%),腹痛7例(26%)が大半を占めた.20例でDBE,11例でCE,10例で両検査が施行された.DBEを施行した11例の内,8例(40%)で術前診断が得られ,10例(50%)で病変の同定が可能であった.一方,CEを施行した11例のうち,9例(81.8%)で病変の同定が可能であり,その後8例でDBEを追加した.小腸腫瘍の内訳はGIST 7例(26%),悪性リンパ腫5例(19%),小腸癌5例(19%),転移性小腸癌3例(11%),脂肪腫2例,カルチノイド1例,毛細血管腫1例,過誤腫1例,平滑筋腫1例,リンパ管腫1例であった.小腸腫瘍の治療に関しては,25例(93%)で手術が行われ,その他1例は化学療法が施行され,残り1例は経過観察なった.[考察]DBEは生検による術前診断,病変の同定,さらに点墨による術前のマーキングが可能であり,小腸腫瘍に対して非常に有用であると考えられた.一方CEは,患者の苦痛を伴わず,非侵襲的な検査であり,病変の同定には有用であったが,小腸腫瘍の確定診断を行う場合は,DBEとの併用が有用であると考えられた.
索引用語