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小腸 外科治療

タイトル P-087:

当科で手術を行った絞扼性イレウス症例の検討

演者 内山 周一郎(都城市郡医師会病院外科)
共同演者 末田 秀人(都城市郡医師会病院外科), 佐野 浩一郎(都城市郡医師会病院外科), 高屋 剛(都城市郡医師会病院外科), 金丸 幹郎(都城市郡医師会病院外科), 千々岩 一男(宮崎大学腫瘍機能制御外科学)
抄録 絞扼性イレウスは緊急手術を要する疾患の一つであり,絞扼された腸管の状態で術式,予後が大いに影響される.開腹手術の既往のない腸閉塞症例においても常にその可能性を考慮して治療方針を決定する必要がある.今回我々の施設で手術を行った絞扼性イレウス症例に関して検討を行った.【方法】2007年5月から2012年9月までの間に当科で手術を緊急手術を行った絞扼性イレウス症例66例を対象とした.年齢,開腹手術の既往,切除腸管長,在院期間,術後人工呼吸器の有無と予後と相関を解析した.【結果】男女比は31:35で平均年齢は70.3歳(7-94歳)であった.開腹手術既往のない症例を17例(25.8%)に認め,そのうち10例(58.8%)に腸管切除を行っていた.開腹手術既往のある症例49例のうちで腸管切除を22例(44.9%)に行っていたが,開腹既往の有無では腸管切除の割合に有意差を認めなかった.開腹手術既往の有無で年齢,術後在院期間,人工呼吸器管理,予後に有意差を認めなかったが,開腹手術既往のない群で切除腸管長が有意に長かった(p=0.005).腸管切除群で非切除群と比較して術後の人工呼吸器管理の割合が有意に高く(p=0.0132),術後に人工呼吸器管理を行った症例は術後に抜管できた症例と比較して有意に死亡率が高かった(p=0.005).年齢を75歳で区切ると,開腹既往の割合に差がないものの腸管切除の割合が高かった(29.2 vs 59.5%).術後人工呼吸器管理の割合が有意に高く(p=0.031),術後在院期間が有意に長かった(p=0.04).さらに死亡例の全例が75歳以上で死亡率(16.7%)あった.【結語】絞扼性イレウス症例では開腹既往の有無や腸管切除の有無で予後に有意差を認めないが,75歳以上の症例では術後に人工呼吸器管理を要する腸管切除症例の頻度が高く,より重篤化する可能性が示唆された.
索引用語