セッション情報 | ポスター小腸 外科治療 |
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タイトル | P-088:ステロイド投与後に穿孔を来した悪性リンパ腫の2例 |
演者 | 藤永 陽介(医仁会武田総合病院消化器センター) |
共同演者 | 山内 宏哲(やまうちクリニック), 山口 智裕(医仁会武田総合病院消化器センター), 上田 智大(医仁会武田総合病院消化器センター), 玉置 大(医仁会武田総合病院消化器センター), 島本 福太郎(医仁会武田総合病院消化器センター), 柏 敦文(医仁会武田総合病院消化器センター), 滝本 見吾(医仁会武田総合病院消化器センター), 加藤 仁司(医仁会武田総合病院外科), 松山 希一(医仁会武田総合病院消化器センター) |
抄録 | 【背景】消化管原発悪性リンパ腫の治療として化学療法が勧められているが,化学療法中穿孔が多い事が報告されている.今回我々はステロイド投与後に穿孔を来した悪性リンパ腫2例を経験したので報告する.【症例1】41歳,男性.平成19年10月より上腹部痛,体重減少,平成20年1月より発熱,全身倦怠感を自覚し精査目的で当院入院となった.腹部造影CTで上部空腸と下部回腸にわずかに造影効果のある腸管壁の肥厚と両側副腎の腫大を認め,小腸造影検査で小腸に全周性の潰瘍が疑われた.下部消化管内視鏡検査では回盲部に全周性の深掘れ潰瘍を認め悪性リンパ腫が疑われたが生検を施行しても確定診断には至らなかった.入院時に副腎機能不全が指摘されており,入院後38℃台の発熱が繰り返された事から副腎クリーゼと判断しmethylprednisolone 500mgを投与した.その後施行したFDG-PET CTで上部空腸,下部回腸および両側副腎に強いFDGの集積を認めfree airも伴っていた.消化管病変の穿孔と診断し緊急で空腸および回腸部分切除術を施行され,術後の病理組織検査より悪性リンパ腫及び悪性リンパ腫による原発性副腎不全と診断された.【症例2】88歳,女性.2012年7月腹部CTにて上行結腸に壁肥厚を指摘され精査目的で当院入院となった.下部消化管内視鏡にて回盲部に地図状の不整形潰瘍が認められ,同時に施行した生検より悪性リンパ腫と診断された.初診時より発熱を繰り返し倦怠感の訴えが強かった為prednisolone 20mg投与を開始したところ,投与直後より腹痛が増強した.血液検査上炎症反応の亢進を認め腹部CTにて小腸拡張,free airが指摘された事より悪性リンパ腫の穿孔及びイレウスと診断し緊急で回盲部切除術施行となった.【考察】内科的治療に先立ち外科的に切除するなど穿孔の可能性も考慮した治療法を選択する必要があると考えられる. |
索引用語 |