セッション情報 | ポスター小腸 炎症・潰瘍 |
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タイトル | P-095:プロトンポンプ阻害薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬,H. pylori感染による小腸炎の頻度の検討 |
演者 | 前田 光徳(獨協医科大学消化器内科) |
共同演者 | 土田 幸平(獨協医科大学消化器内科), 吉竹 直人(獨協医科大学消化器内科), 星野 美奈(獨協医科大学消化器内科), 富永 圭一(獨協医科大学消化器内科), 笹井 貴子(獨協医科大学消化器内科), 室久 俊光(獨協医科大学消化器内科), 中村 哲也(獨協医科大学医療情報センター), 寺野 彰(獨協学園), 平石 秀幸(獨協医科大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年,プロトンポンプ阻害薬(PPI)と非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)の併用投与により,NSAIDs単独投与より小腸炎の頻度が増加するとの報告がある.そこで当院におけるカプセル内視鏡(CE)施行症例において,併用投与により小腸炎の頻度について検討した.また,H. pylori(Hp)感染症例についても小腸炎の頻度について検討した.【方法】2003年2月から2012年8月までの間にCEを施行した322症例中,クローン病や小腸腫瘍,Meckel憩室など小腸粘膜傷害を起こす可能性のある症例を除く237症例を対象とした.1.NSAIDsとPPIの内服の有無,2.LDAやNSAIDsの薬剤を投与されていない症例におけるHpIgG抗体の有無による小腸炎の頻度について検討した.【成績】NSAIDs+PPI併用投与群の小腸炎の頻度は35.7%(5/14例),NSAIDs単独投与群では27.2%(6/22例)であり,併用投与群で高い傾向を認めた(p=0.882).PPIの種類別の小腸炎の頻度では,Omeprazole 33.3%,lansoprazole 50.0%,Rabeprazole 0%であり有意差を認めなかった(P=0.357).HpIgG抗体陽性群での小腸炎の頻度は31.8%(7/22例),HpIgG抗体陰性群は48.2%(28/58例)であり,HpIgG抗体陰性群で高い傾向を認めた(p=0.189).HpIgG抗体陽性群でPPIの投与による小腸炎の有無を比較するとPPI投与しない群25.0%(4/16例),PPI投与群50.0%(3/6例)でPPI投与群で高い傾向を認めた(p=0.283).【考察・結論】PPI投与によりActinobacteria減少等の腸内細菌叢の変化がNSAIDs起因性小腸粘膜傷害の増悪の原因との報告がある(Gstroenterology. 2011;141:1314-22).またHp存在下では小腸の腸内細菌の増殖を認め,また今回の結果でもPPI投与にてHpへの静菌作用により小腸炎が増悪する結果からも,PPIやHpは腸内細菌の状態により小腸炎に間接的に関与するのではないかと考えられた. |
索引用語 |