セッション情報 | ポスター小腸 炎症・潰瘍 |
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タイトル | P-096:クローン病患者における骨粗鬆症と栄養評価及び内視鏡所見の検討 |
演者 | 氏原 正樹(名古屋大学大学院消化器内科学) |
共同演者 | 安藤 貴文(名古屋大学大学院消化器内科学), 石黒 和博(名古屋大学大学院消化器内科学), 前田 修(名古屋大学大学院消化器内科学), 渡辺 修(名古屋大学大学院消化器内科学), 平山 裕(名古屋大学大学院消化器内科学), 前田 啓子(名古屋大学大学院消化器内科学), 森瀬 和宏(名古屋大学大学院消化器内科学), 松下 正伸(名古屋大学大学院消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大学大学院消化器内科学), 中村 正直(名古屋大学大学院消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大学大学院消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大学大学院消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大学大学院消化器内科学) |
抄録 | 【目的】炎症性腸疾患患者では骨粗鬆症の罹患率の上昇が報告されている.クローン病(CD)患者では寛解維持を目的として栄養療法を施行されていることが多く,食事も低脂肪食が勧められている.また近年ビタミンKは骨粗鬆症の予防や治療に効果があるとされている.【対象と方法】対象は当院通院中の臨床的寛解状態(CDAI<150)のCD患者10名(CD群:男性7名 女性3名).骨密度の測定はDEXA法で行った.血液検査と骨密度の測定と同日に小腸内視鏡検査を施行しRutgeerts scoreに準じて評価を行った.栄養摂取については普段の食事のアンケート調査を3日間行い解析した.平成22年度国民健康・栄養調査における20~40歳代の平均を栄養評価の対照とした(対照群).【結果】10名の平均年齢は38.6歳,平均罹病期間は15年,CDAIの平均は97であった.骨密度の平均は腰椎0.915g/m2,大腿骨頚部0.758g/m2であり,T-scoreは腰椎-0.79,大腿骨頚部-1.12と低下していた.血液検査の平均値はBAP 14.8μg/L,NTX-1 19.2nmolBCE/L,ucOC 9.2ng/ml,25OH-D(ビタミンD)16.4ng/ml,フィロキノン(ビタミンK)0.21ng/mlであった.内視鏡所見はi0 3名,i1 3名,i2 2名,i3 1名,i4 1名であり,骨密度と内視鏡所見に相関は認めなかった.栄養療法としてエレンタールを併用している患者は9名でその平均摂取量は675kcalであった.CD群の平均値はエネルギー総量1979.8kcal,脂質28.7g,Ca457.3mg,ビタミンD9.7μg,ビタミンK74.9μg,コレステロール234.4mgであった.対照群ではエネルギー総量1872kcal,脂質57.6g,Ca439mg,ビタミンD6.1μg,ビタミンK203.3μg,コレステロール318mgであった.CD群で脂質(P<0.05)とビタミンK(P<0.01)において有意に低値であった.【結論】CD患者では骨量の減少が認められるため,その予防としてucOC値を定期的に測定しビタミンKの補充を考慮する必要がある. |
索引用語 |