セッション情報 |
ポスター
小腸 炎症・潰瘍
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タイトル |
P-097:当院で経験した原因不明の小腸潰瘍の4症例の検討
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演者 |
中路 幸之助(愛晋会中江病院内科) |
共同演者 |
藤田 篤代(愛晋会中江病院内科), 神津 知永(愛晋会中江病院内科), 松山 健次(愛晋会中江病院内科), 熊本 光孝(愛晋会中江病院内科), 中江 遵義(愛晋会中江病院内科) |
抄録 |
【症例1】27歳,男性.2011年5月末に原因不明の鉄欠乏性貧血のため8月末にカプセル内視鏡検査を施行.小腸に活動性出血を認めた.ダブルバルーン内視鏡検査では回腸下部に輪状の潰瘍性病変を認め同部位よりの生検組織では非特異的炎症所見のみであった.11月末の再度のカプセル内視鏡検査で回腸下部にびらんの所見が認められた.【症例2】23歳,女性.2011年3月7日に原因不明の下血にて紹介.腹部CT検査で小腸から大腸にかけて出血を思わせるhigh densityを認めたため3月下旬にカプセル内視鏡検査を施行し小腸にびらんを認めた.再度下血あり緊急経肛門ダブルバルーン内視鏡検査で回腸下部に潰瘍をともなう狭窄病変を認めた.生検組織では特異的所見,肉芽腫は認めなかった.4月初旬の経口的ダブルバルーン内視鏡では空腸にびらんを認めた.【症例3】35歳男性.2011年4月8日より下血のため他院に入院.入院中にショック,貧血の増悪あり輸血で経過みていたが,回腸末端に潰瘍の多発を認め小腸精査目的で紹介となった.5月18日のカプセル内視鏡では輪状の狭窄が認められ滞留をきたした.経肛門的ダブルバルーン内視鏡検査では多発性の潰瘍による狭窄があり,同部位の生検は非特異的炎症所見であった.その後カプセルは自然排泄された.【症例4】症例は62歳,男性.2012年1月下旬腹痛,嘔吐を主訴に来院.腹部レントゲン写真で鏡面像,腹部CTで小腸の拡張所見を認め腸閉塞の診断で入院となった.絶食,補液,イレウス管挿入して経過を見た.イレウス改善後経口的ダブルバルーン内視鏡検査を施行.小腸に狭窄を伴う潰瘍性病変が認められた.潰瘍性病変から繰り返し生検するも非特異的炎症所見のみであった.いずれの症例もクォンティフェロン陰性,IL-2受容体正常範囲.NSAIDs等の内服歴はなかった.【結語】今回われわれは原因不明の小腸潰瘍の4例を経験したのでその後の経過を含めて報告する. |
索引用語 |
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