セッション情報 | ポスター小腸 他 |
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タイトル | P-101:小腸悪性リンパ腫に対する体外式超音波検査の有用性 |
演者 | 池田 良輔(横浜市立大学附属市民総合医療センター炎症性腸疾患センター) |
共同演者 | 国崎 玲子(横浜市立大学附属市民総合医療センター炎症性腸疾患センター), 柴田 尚美(横浜市立大学附属病院臨床検査部), 半澤 秋帆(横浜市立大学附属病院臨床検査部), 神 美郷(横浜市立大学附属病院臨床検査部), 米澤 広美(横浜市立大学附属病院臨床検査部), 宮島 栄治(横浜市立大学附属病院臨床検査部), 藤澤 信(横浜市立大学附属市民総合医療センター血液内科), 沼田 和司(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 田中 克明(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 前田 愼(横浜市立大学附属病院消化器内科) |
抄録 | 【背景】近年の体外式超音波検査(US)の機能向上により,体外から低侵襲に小腸の詳細な観察が可能となり注目されている.【目的】体外式USによる小腸悪性リンパ腫の画像所見の特徴を検討し,診断,治療効果判定における検査の有用性を検討する.【対象と方法】対象は,腸悪性リンパ腫7例(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)2例,腸管症関連T細胞リンパ腫2例,濾胞性リンパ腫1例,Burkittリンパ腫1例,形質芽球性リンパ腫1例.高周波プローブを用いて観察を行い,カラードプラ法により壁血流を評価し,治療経過中のUS所見の特徴の変化と内視鏡像,病理所見を比較検討した.【成績】DLBCLは壁構造の消失した高度低エコーの不整形腫瘤像として描出された.腸管症関連T細胞リンパ腫は,5層構造は消失しているものの壁構造は保たれ,低~等エコーの不整な壁肥厚として描出された.Burkittリンパ腫はTarget sign様の壁肥厚,形質芽球性リンパ腫は不均一なエコーレベルの不整形腫瘤として描出され,いずれもDLBCLと異なる像を呈した.全例で不整な壁肥厚と蠕動低下,壁血流の高度の増多を認め,所属リンパ節の著明な腫脹と,他の小腸疾患と異なるUS所見を呈した.治療経過を観察した4例は,いずれもUSで壁肥厚および壁構造の回復を認め,内視鏡像や生検診断による治療効果判定とよく相関していた.【結論】小腸悪性リンパ腫のUS所見として,DLBCLの高度低エコーを呈する腫瘤像が有名だが,他のリンパ腫はそれとは異なる所見を呈した.不均一な区域性の壁肥厚,高度血流増多,所属リンパ節の著明な腫脹などのUS所見は,他の小腸疾患との鑑別に繋がり,治療効果判定にも有用であると考えられた. |
索引用語 |