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小腸 他

タイトル P-102:

クローン病における内視鏡的バルーン拡張術の検討

演者 林 靖子(昭和大学横浜市北部病院消化器センター)
共同演者 大塚 和朗(東京医科歯科大学医学部付属病院光学診療部), 小形 典之(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 児玉 健太(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 渡辺 大輔(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 前田 康晴(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院消化器センター)
抄録 【背景と目的】クローン病は消化管壁の全層性炎症であり,経過中に比較的高率に狭窄を来し,外科手術となる場合も少なくない.また術後に吻合部に潰瘍形成や狭窄を来し再手術に至る例もある.近年,バルーン内視鏡の登場と普及により小腸狭窄に対しても内視鏡的バルーン拡張術(Endoscopic balloon dilation;EBD)が施行可能となっている.当院における小腸狭窄を有するクローン病症例について検討を行った.【方法・対象】2005年9月から2012年7月までに当院でシングルバルーン内視鏡を施行したクローン病症例のうち,小腸内視鏡・スライディングチューブが通過困難もしくは不可能な小腸狭窄病変が認められた22例について検討した.【結果】全体の平均年齢は42.5±14.0歳.男女比は10:1であった.22例中10例にEBDを選択した.10例のうち9例が回腸狭窄,1例のみ空腸狭窄であった.いずれもEBD施行により症状改善が見られた.EBDを行わなかった12例中4例は,膿瘍合併や狭窄長が5cmを超えるものであり外科的切除術を選択した.8例は炎症が強い症例や瘻孔がみられた例で,栄養療法の強化や生物学的製剤等による内科治療を追加した.拡張術は1回で終了可能であったものから複数回必要とした症例も見られた.累積手術回避率は90%であった(観察期間最長2年6カ月).重篤な偶発症は1例で認め,EBD翌日に大量出血を来し緊急動脈塞栓術を要した.穿孔例は見られなかった.【結語】EBDを施行した例においては,現時点まででは手術を要した症例は1例のみであった.拡張時期と適応を適切に選択する事で,EBDは手術を回避できる有効な方法の一つになりえると考えられた.
索引用語