セッション情報 ポスター

NAFLD

タイトル P-103:

非アルコール性脂肪性肝疾患に対するBCAAの有効性評価~パイロット試験(探索的研究)~

演者 遠藤 啓(岩手医科大学病院消化器肝臓内科)
共同演者 遠藤 龍人(岩手医科大学病院消化器肝臓内科), 鈴木 一幸(岩手医科大学病院消化器肝臓内科)
抄録 【目的】BCAAは,ウイルス性慢性肝疾患患者のインスリン抵抗性を改善させ,C型肝硬変患者の酸化ストレスマーカーを低下させた,と報告されている.今回我々は耐糖能異常,インスリン抵抗性,脂質代謝異常などの改善効果が期待されるBCAA顆粒製剤をNAFLD患者に投与し,短期的にインスリン抵抗性,酸化ストレス等の代謝マーカーの推移をみることによりBCAAの有効性を探索的に検討した.【方法】NAFLDに対して生検を施行した5症例(SS 3例,NASH 2例)を対象とした.管理栄養士による食事療法を継続して行い,2か月おきにBCAA顆粒(Livact 3包/日)のクロスオーバー試験(内服→休止→内服)を行った.その期間の肝酵素,HOMA-IRおよび酸化ストレスマーカーの推移を観察した.酸化ストレスマーカーは自動分析装置FRAS4(WISMERLL社)を用い,酸化ストレス度(d-ROM)と抗酸化力(BAP),抗酸化力に対する酸化ストレスの比を示した修正BAP/d-ROM比(BAP/d-ROM/7.541)を測定した.【結果】HOMA-IRの変化は,BCAA投与期間中に改善し中止期間中に悪化したもの1例,投与期間中に一時改善がみられるものの2度目の投与中に悪化したもの3例,改善がみられなかったもの1例であった.修正BAP/d-ROM比については,BCAA投与期間中に改善し中止期間中に悪化したものは2例,投与期間中に一時改善がみられるものの2度目の投与中に悪化したもの1例,改善がみられなかったもの2例であった.NAFLD症例に対する短期的なBCAA投与では,インスリン抵抗性,酸化ストレスマーカーに対する安定した変化は認められなかった.
索引用語