セッション情報 ポスター

NAFLD

タイトル P-104:

非アルコール性脂肪性肝疾患における大柴胡湯の臨床効果の検討

演者 東 直樹(札幌徳洲会病院消化器内科)
共同演者 福田 一寿(札幌徳洲会病院消化器内科), 佐藤 康永(札幌徳洲会病院消化器内科), 関山 伸男(札幌徳洲会病院消化器内科), 岡村 毅與志(札幌徳洲会病院消化器内科), 遠藤 高夫(札幌しらかば台病院)
抄録 近年,脂肪肝は食生活の欧米化,アルコール消費量の増加,運動不足などのライフスタイルの変化とともに本邦でも増加傾向にあり,日常診療のなかでも最も一般的に遭遇する疾患の一つとなった.非アルコール性脂肪性肝疾患(NASH&NAFLD)は,肝臓における中性脂肪の代謝障害により肝臓に中性脂肪が蓄積する病態で,生活習慣と密接な関係を有する疾患である.一方,漢方製剤である大柴胡湯は柴胡,半夏,芍薬,大棗,枳実,生姜,大黄,黄ごんの生薬からなり,従来より,実証で,肝・胆道疾患に使用されていた.脂質代謝改善作用を有することは報告されているが,脂肪性肝疾患に対する臨床効果の報告は少ない.今回我々は大柴胡湯の非アルコール性脂肪性肝疾患に対する臨床効果を検討したので報告する.【目的】今回,非アルコール性脂肪性肝疾患症例に漢方製剤(大柴胡湯)を投与し,臨床効果を検討した.【対象と方法】肝生検及び画像診断から非アルコール性脂肪性肝疾患と判断した8症例(男性7名,女性1名,平均年齢44.5±19.1歳)に大柴胡湯を投与し,投与後の肝機能(ALT)の推移を検討した.【結果】投与開始前のALTは96.15±52.7IU/Lであり,投与12週後のALTは64.4±32.8 IU/lと低下傾向を認めた.【結語】1)今回非アルコール性脂肪肝障害(NAFLD & NASH)を含む脂肪肝症例に大柴胡湯を投与し,臨床効果を検討した.2)いずれの症例も,肝機能の増悪は認められず,緩徐に肝機能の改善効果を示す傾向があった.
索引用語