セッション情報 | ポスターNAFLD |
---|---|
タイトル | P-107:大うつ病合併NAFLD患者の臨床的特徴,治療効果反応の検討 |
演者 | 米田 正人(横浜市立大学・消化器内科) |
共同演者 | 今城 健人(横浜市立大学・消化器内科), 中島 淳(横浜市立大学・消化器内科), 留野 渉(横浜市立大学・消化器内科), 小川 祐二(横浜市立大学・消化器内科), 桐越 博之(横浜市立大学・消化器内科), 芝田 渉(横浜市立大学・消化器内科), 窪田 賢輔(横浜市立大学・消化器内科), 稲森 正彦(横浜市立大学・消化器内科), 前田 慎(横浜市立大学・消化器内科), 遠藤 宏樹(横浜市立大学・消化器内科), 斉藤 聡(横浜市立大学・消化器内科) |
抄録 | 日本ではNASH患者は100万人以上存在するが,10年間で2割が肝硬変へ進展することが想定されており,適切な加療が望まれる疾患である.近年アメリカで慢性肝疾患の患者,特にNAFLDとC型慢性肝炎患者に大うつ病を発症する頻度が高いことが報告されているが,大うつ病がどのようにNAFLD及びNASHと関連するのか未知な領域が多い.大うつ病合併NAFLD患者の臨床的特徴および治療反応への影響を解析した.【方法】2002年7月から2011年7月までに肝生検を施行した258症例(男性137例,女性121例)を用い,大うつ病の罹患歴とNAFLD,メタボリックシンドロームに関与する各種因子を検討した.また大うつ病の罹患歴とNAFLD/NASH患者の治療導入から1年後のトランスアミナーゼの推移を検討することで評価を行った.【成績】258症例のうち31症例が大うつ病を加療中,もしくは既往歴を有していた.大うつ病合併NAFLDは非大うつ病NAFLDに比較し,肝生検での脂肪化Grade,NASは高値であり,線維化には差を認めなかった.また糖尿病,高血圧,高脂血症の罹患率に差を認めなかったが,AST,ALT,LDH,γ-GTP,尿酸値,フェリチン,高感度CRPが高値であった.また大うつ病合併NAFLDは非合併NAFLDに比較し,肝生検診断後の治療導入による効果を1年後のトランスアミナーゼ低下率で検討したところ,有意に低値であった.【結語】現在大うつ病は糖尿病,脳卒中,心筋梗塞の発症リスクを高めることが報告され,生活習慣病との関連が指摘されている.うつの症状がある患者は肥満,運動不足,喫煙の傾向が高く,ライフスタイルの変化も乏しいことが報告され,また一方で非定型抗精神病薬の中には副作用として体重増加,糖尿病,高脂血症を有しているものもある.日本のうつ病とNAFLDおよびNASHの関係を調査した報告は少なく,今後潜在性うつも含め検討を進めていくことで,治療方針にも影響を及ぼす可能性が示唆される. |
索引用語 |