セッション情報 | ポスター肝 生活習慣病 |
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タイトル | P-111:市中病院における肝生検の現状 |
演者 | 芦苅 圭一(大森赤十字病院消化器内科) |
共同演者 | 河野 直哉(大森赤十字病院消化器内科), 関 志帆子(大森赤十字病院消化器内科), 天野 由紀(大森赤十字病院消化器内科), 高橋 昭裕(大森赤十字病院消化器内科), 千葉 秀幸(大森赤十字病院消化器内科), 井田 智則(大森赤十字病院消化器内科), 諸橋 大樹(大森赤十字病院消化器内科), 太原 洋(大森赤十字病院消化器内科), 後藤 亨(大森赤十字病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】肝生検は画像検査や血液学的検査により病態把握が可能となったため一般臨床の場において頻度が減少した.しかし近年ではNASHが注目されるにつれ,確定診断のために肝生検の重要性が増していると考えられる.そこで中規模市中病院である当院での肝生検の現状について調査した.【方法】当科では平成24年1月から脂肪肝患者について血液検査(4型コラーゲン,血中インスリン,フェリチンにてスコアリングするNAFIC score)を用いてNASH疑いを拾い上げ,積極的に肝生検を施行している.平成20年からNASHのスクリーニングを開始した平成24年1月以前を前期,それ以降を後期として肝生検施行例の頻度,背景,目的,臨床診断と病理診断を確認し,有用性を評価した.またNASHに対する有用性も検討した.肝生検の有用性は臨床診断の確定,もしくは他疾患の診断がついた者を有用,新たな知見が得られなかった者を不明とし,診断目的の症例について評価した.【結果】前期群24例(男性12例,女性12例,59.7±14.0歳)後期群22例(男性14例,女性8例,63.5±12.0歳)で年度あたりの頻度は増加していた.施行目的は前期群16例,後期群21例で後期群が有意に診断目的で多く行われていた.また臨床診断を自己免疫性,アルコール性,ウィルス性,NAFLD,薬剤性,不明の6つに分けると,NAFLDが前期群で2人,後期群で13人と後期群で有意に多かった.診断目的を対象とした有用性の検討では,臨床診断に対し生検が有用であったのは前期群11人,後期群7人で前期群のほうが有用であった症例が有意に多かった.またNAFLD症例のみで検討すると15人中有用であった症例は4人のみで,現状のスクリーニングでの肝生検では有用性に乏しかった.【結論】NASHのスクリーニングが盛んになるにつれ肝生検の頻度は増加したが,現状のスクリーニングでは不十分と考えられた. |
索引用語 |