セッション情報 ポスター

肝 生活習慣病

タイトル P-113:

当院糖尿病教育入院患者における肝疾患の実態の検討

演者 下村 泰之(岡山済生会総合病院内科)
共同演者 藤岡 真一(岡山済生会総合病院肝臓病センター), 中塔 辰明(岡山済生会総合病院糖尿病センター), 足立 卓哉(岡山済生会総合病院肝臓病センター), 今村 麻理子(岡山済生会総合病院糖尿病センター), 西井 尚子(岡山済生会総合病院糖尿病センター), 後藤田 達洋(岡山済生会総合病院肝臓病センター), 関 杏奈(岡山済生会総合病院肝臓病センター), 齋藤 玄哲(岡山済生会総合病院肝臓病センター), 金藤 光博(岡山済生会総合病院肝臓病センター), 浦上 経子(岡山済生会総合病院糖尿病センター), 武田 昌也(岡山済生会総合病院糖尿病センター), 川上 万里(岡山済生会総合病院肝臓病センター), 北村 卓也(岡山済生会総合病院糖尿病センター), 渡辺 恭子(岡山済生会総合病院糖尿病センター), 大澤 俊哉(岡山済生会総合病院肝臓病センター), 糸島 達也(岡山済生会総合病院肝臓病センター)
抄録 【目的】生活習慣の欧米化に伴い我が国の糖尿病患者数は増加の一途をたどっている.糖尿病患者の死因では悪性腫瘍が最も多いが,その中でも肝癌が最も多く,肝硬変を含めると肝関連死は死因の約13%を占めると報告されている.また近年肥満・インスリン抵抗性による非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が増加してきており注目されている.今回我々は当院糖尿病センターにおいて糖尿病教育入院を行った患者を対象に肝疾患の実態を検討した.
【方法】2007年1月から2011年12月の間に,期間中に初めて当院の糖尿病教育入院パスを用いた842例を対象に,入院時の患者背景,血液検査結果,腹部超音波検査での脂肪肝の有無ついて検討した.
【成績】平均年齢は60.4±14.3歳,男性498例,女性344例であった.平均BMI24.8±5.0,平均HbA1c(NGSP)10.1%±2.2%と肥満,コントロール不良の例が多かった.HBs抗原陽性率は1.0%(8/834),HCV抗体陽性率は6.6%(55/834)であった.アルコール摂取量が20g/日以上の飲酒者は173例で,男性が162例と多かった.脂肪肝は腹部超音波検査の行われた809例のうち392例に認められた.肝疾患は非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が308例,アルコール性肝疾患が89例,HCV39例,HBV9例に認められた.脂肪肝の有無で比較するとHbA1c値には差は認められなかったが,脂肪肝群でALT値が高かった.
【結論】今回の検討では対象を教育入院患者としたため,血糖コントロール不良の例が多かったが,半数以上の症例で肝疾患の合併が認められ,その中でもNAFLDの合併が多かった.糖尿病は単純性脂肪肝からNASH発症の危険因子として知られており,糖尿病患者では血糖コントロールや血管合併症のみならず,肝合併症にも留意して加療を行う必要があると考えられた.
索引用語