セッション情報 ポスター

膵 内視鏡治療1

タイトル P-114:

当院での膵嚢胞性疾患のドレナージ法と教育

演者 牛尾 純(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科)
共同演者 玉田 喜一(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科), 沼尾 規且(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科)
抄録 【目的】当院では2009年4月から本格的に膵嚢胞性疾患の超音波内視鏡下膵嚢胞ドレナージ術(以下EUS-PCD)を導入し,14例に対してEUS-PCDを施行した.Interventional EUSを始めた,あるいは始めようと考えている施設での参考として,当院での手技および教育法を供覧する.【方法】3年間でEUS-PCDを施行した14例を対象とした.全例が膵炎に続発した仮性膵嚢胞であり,膵炎の原因はアルコール性12例,薬剤性1例,特発性1例,嚢胞形態の内訳はtype Iが6例,type IIが7例,typeIIIが1例であった.EUS-PCDのきっかけは感染9例,出血3例,黄疸1例,腹痛1例であった.感染を伴った9例中6例は準緊急的な処置として行い,外瘻のみが4例,内外瘻が5例であり,うち2例に対して内視鏡的壊死組織除去術を行った.実際の手技は1人のエキスパートの他に,ERCPでカテーテルやガイドワイヤーの特性を十分に理解し,且つEUS-FNAを経験したビギナー2人で施行した.穿刺部位,嚢胞径を指標としてエキスパートが術者を選択した.TypeIIIはtype I,IIと異なり膵液リークの可能性があるためエキスパートが施行した.ビギナーが術者となる場合はエキスパートが介助につき,適宜エキスパートが術者を交代できる状況で行った.当院では煩雑な手技を避ける目的で,通電針で穿刺,ガイドワイヤーを挿入,ドレナージカテーテルを留置する方法をとった.【成績】全例でドレナージ手技は成功し,偶発症はみられなかった.膵管ステントの併用例も含め,13例で嚢胞は消失し,ステント抜去が可能であった.内視鏡的壊死組織除去術を行った1例は,効果不十分のため外科的手技に移行した.14例中5例はビギナーが術者になり,うち1例は途中でエキスパートと交代した.交代した1例は胃体中部大弯からの穿刺であり,内視鏡の保持が難しかった.【結論】EUS-PCDは胃体上部後壁からの穿刺は針が滑りにくく施行しやすい.通電針は穿刺ルートの拡張作業が不要であり本手技の導入に適している.症例と方法を選択することにより,ビギナーでも安全に施行できた.
索引用語