セッション情報 ポスター

膵 内視鏡治療1

タイトル P-115:

膵仮性嚢胞に対するinterventional EUSの有用性についての検討

演者 石川 卓哉(名古屋第一赤十字病院消化器内科)
共同演者 春田 純一(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 山口 丈夫(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 土居崎 正雄(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 山 剛基(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 亀井 圭一郎(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 澤田 つな騎(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 水谷 泰之(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 村上 義郎(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 服部 峻(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 山田 健太(名古屋第一赤十字病院消化器内科), 八鹿 潤(名古屋第一赤十字病院消化器内科)
抄録 【目的】膵仮性嚢胞に対するinterventional EUSの有用性について検討すること.【方法】2009年1月から2012年8月までに当院で膵仮性嚢胞に対してEUSガイド下ドレナージ(EUS-CD)を施行した5例(男女比2:3,平均年齢 47±8.9歳(37-54),平均嚢胞径53.5±28.1mm(18-100))を対象とした.膵仮性嚢胞の成因は,膵体尾部切除後2例,慢性膵炎急性増悪後1例,自己免疫性膵炎1例,急性膵炎後1例(Walled of pancreatic necrosis(WOPN))で5例中3例に感染を合併していた.初回処置として4例に内外瘻2本,1例に外瘻1本のドレナージチューブを留置し,初回ドレナージ成功率,嚢胞消失率,合併症,再発率について検討した.穿刺針は19G針(Echo Tip Ultra,COOK)を使用し,拡張カテーテル(Soehendra,COOK)にて穿刺孔を拡張した後にドレナージチューブを留置した.穿刺孔の拡張が困難な症例には通電針(Needle Cut3 V,OLYMPUS)を使用した.【結果】初回ドレナージ成功率は100%であったが5例中3例で穿刺孔の拡張に通電針を必要とした.初回ドレナージ後の嚢胞消失率は80%でWOPNの1例では複数本の内瘻チューブを留置しても消失せず,内視鏡的necrosectomyおよび経皮的ドレナージの追加を必要とした.感染を合併した体尾部切除後膵液漏の1例ではEUS-CD後に経乳頭的ドレナージを行った.合併症は5例中1例で嚢胞穿刺時に出血を認め,輸血を必要としたが保存的に止血できた.再発は5例中1例で内瘻チューブ抜去後に再発を認め,再ドレナージを必要とした.再ドレナージ後は内瘻チューブを抜去せずに経過をみており現在まで再発していない.【結論】膵仮性嚢胞に対するEUS-CDは有効な治療手段であるが,今後デバイスの開発や手技の確立が望まれる.また仮性嚢胞の成因や形態により経乳頭的または経皮的ドレナージ,necrosectomyなどの追加処置も念頭に置いて処置を行う必要がある.
索引用語