セッション情報 | ポスター膵 内視鏡治療1 |
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タイトル | P-117:手術不能進行膵癌による膵仮性嚢胞に対するEUS-CDの適応について |
演者 | 中澤 潤一(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 船川 慶太(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 田中 啓仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 小薗 雅哉(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 岩屋 博道(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 那須 雄一郎(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 直子(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 田口 宏樹(鹿児島大学病院光学医療診療部), 上村 修司(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 沼田 政嗣(鹿児島大学病院光学医療診療部), 藤田 浩(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 隈元 亮(県立薩南病院消化器内科), 指宿 和成(川内市医師会立市民病院消化器内科), 今給黎 和幸(県立薩南病院消化器内科), 矢野 貴文(今村病院分院消化器内科), 高崎 能久(今村病院分院消化器内科), 重田 浩一朗(霧島市立医師会医療センター消化器内科), 山元 隆文(国立療養所星塚敬愛園内科) |
抄録 | 当科では2005年より膵仮性嚢胞に対するEUS下経消化管的ドレナージ術(EUS-guided pseudocyst drainage:EUS-CD)を行っており,現在までで当科及び関連施設で計25例を行っている.対象の多くは慢性膵炎を成因とする膵仮性嚢胞であるが,膵癌による二次性膵炎を繰り返し,形成された仮性嚢胞に対し施行した症例もある.腫瘍性嚢胞に対するEUS-FNA関連手技についての多くの報告がある欧米でも,膵癌による仮性嚢胞に対するEUS-CDの症例報告はSilva Rg Jrらのものなど限られている.本邦では膵癌による仮性嚢胞をEUS-CDした症例は検索しえた限りでは報告例はなかった.膵癌による仮性嚢胞に対するEUS-CDの報告例が少ない理由として,まず第一に播種の危険性,第二に膵癌による仮性嚢胞がD’Egidio Aらの膵仮性嚢胞の分類でtype-IIIに分類されるEUS-CDに適さない貯留嚢胞である可能性があることが考えられる.今回我々は膵癌による仮性嚢胞に対しEUS-CDを行い,偶発症の出現なく,膵炎症状の軽快とともに化学療法を開始することができた2例を経験した.2例とも大血管に浸潤があり,手術不能例と診断された例で繰り返す膵炎症状や嚢胞による消化管閉塞症状で化学療法が行えず,QOLの低下した状況にあった.播種の危険性などを十分に説明したうえでEUS-CDを行った.EUS-CDという比較的低侵襲の治療で,原疾患である膵癌の治療を行うことが可能となり,QOLも改善しており,症例によっては膵癌による膵仮性嚢胞に対するEUS-CDは有用であると考え報告する. |
索引用語 |