セッション情報 ポスター

膵 内視鏡治療1

タイトル P-118:

当院における超音波内視鏡下膵仮性のう胞ドレナージの成因別検討

演者 保田 宏明(京都府立医科大学消化器内科)
共同演者 阪上 順一(京都府立医科大学消化器内科), 岡山 哲也(京都府立医科大学消化器内科), 吉田 直久(京都府立医科大学消化器内科), 鎌田 和浩(京都府立医科大学消化器内科), 堅田 和弘(京都府立医科大学消化器内科), 内山 和彦(京都府立医科大学消化器内科), 十亀 義生(京都府立医科大学消化器内科), 半田 修(京都府立医科大学消化器内科), 高木 智久(京都府立医科大学消化器内科), 石川 剛(京都府立医科大学消化器内科), 小西 英幸(京都府立医科大学消化器内科), 八木 信明(京都府立医科大学消化器内科), 古倉 聡(京都府立医科大学消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医科大学消化器内科)
抄録 【目的】今回,われわれは,当院における超音波内視鏡下膵仮性のう胞ドレナージの治療成績について,その成因別に検討した.【方法】2004年1月から2012年8月までに,超音波内視鏡下膵仮性のう胞ドレナージを行った15症例について,急性膵炎に伴うものをType1,それ以外のものをType2に分類し,のう胞径・のう胞液細菌培養・膵液瘻の有無・ドレナージ後の退院までの期間について検討した.ドレナージは内外瘻を基本とし,のう胞縮小後,外瘻は抜去し,内瘻のみで経過観察とした.【結果】15症例の内訳は,男性14,女性1,年齢中央値は54歳(18-86歳),成因別では,Type1:5例,Type2:10例であった.Type1の2例で内視鏡下Necrosectomy,Type2の1例で外科的Necrosectomyを必要とし,外科的Necrosectomyを行った1例のみが死亡したが,他14例は全て軽快退院.偶発症として,Type2の1例で気腹症を認めたが,保存的加療で軽快し,他に重篤な偶発症は認めなかった.のう胞径の平均は,Type1で11.7cm,Type2で8.3cmと有意差を認めなかった.のう胞液細菌培養では,Type1は全例陽性だったが,Type2では,9例中5例のみ陽性だった.内視鏡的逆行性膵管造影では,Type1とType2で膵液瘻の有無に有意差を認めなかった.ドレナージ後の入院期間はType2で短い傾向にあった.【結論】急性膵炎に伴う膵仮性のう胞のほうが,感染合併が多く,そのため,Necrosectomyが必要となりやすく,治癒期間も長期化しやすいと考えられた.超音波内視鏡下膵仮性のう胞ドレナージは,安全に行える手技で,瘻孔部を拡張し通常ファイバーをのう胞内へ進めることで,Necrosectomyへの発展性があり,さらに,経乳頭的膵管ドレナージおよび経皮的のう胞ドレナージと組み合わせることで,治癒効果が高まることが期待される.
索引用語