セッション情報 ポスター

膵 内視鏡治療1

タイトル P-119:

膵仮性嚢胞に対するInterventional EUS

演者 大本 俊介(近畿大学医学部附属病院消化器内科)
共同演者 北野 雅之(近畿大学医学部附属病院消化器内科), 山田 光成(近畿大学医学部附属病院消化器内科), 門阪 薫平(近畿大学医学部附属病院消化器内科), 宮田 剛(近畿大学医学部附属病院消化器内科), 鎌田 研(近畿大学医学部附属病院消化器内科), 今井 元(近畿大学医学部附属病院消化器内科), 坂本 洋城(近畿大学医学部附属病院消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部附属病院消化器内科)
抄録 【目的】近年,膵仮性嚢胞に対する治療として,EUSを用いたドレナージ術が普及してきている.当院における膵疾患に対するInterventional EUSの治療成績について報告する.【対象】2006年4月から2012年6月までに,EUS下膵仮性嚢胞ドレナージ術(EUS-PCD)を56例に施行した.いずれも,経乳頭的治療困難例に対し実施した.EUS-PCDの適応は膵管との交通がない6cm以上の膵仮性嚢胞で,有症状例あるいは6週間以上経過した症例に対して実施した.感染性膵仮性嚢胞に対しては,内外瘻術を施行した.【成績】EUS-PCD:内外瘻術を29例,内瘻術を20例,穿刺洗浄のみを7例に施行した.全体では88%で仮性嚢胞の縮小もしくは消失を認め,再発率は内外瘻術で13%,内瘻術で17%,穿刺洗浄のみで50%であった.再発率はステント抜去または脱落群で26%,留置継続群で8%であり,後者で少ない傾向であった.再発例の66%が慢性の経過で形成された仮性嚢胞(慢性膵炎に伴うもの,腫瘍性等)であった.内外瘻術施行群のうち2例は改善を認めず,瘻孔部にcovered metal stentを留置することで治癒した.嚢胞がプローブより遠くステント留置が困難であった1例は,穿刺洗浄のみでは改善が得られず,仮性嚢胞空腸吻合術が施行された.嚢胞は縮小したものの腹痛が消失しなかった2例において,疼痛緩和のため外科的治療を行った.偶発症として1例に膵炎の増悪(慢性仮性嚢胞例),1例にステント留置部の出血(長期内瘻ステント留置例)が認められた.【結語】EUS下ドレナージ術は急性膵炎に伴う仮性嚢胞に対する第一選択の治療となりうるが,その他の仮性嚢胞に関しては経乳頭的治療や外科治療など,別の治療法を考慮する必要がある.
索引用語