セッション情報 ポスター

膵 内視鏡治療2

タイトル P-121:

当院における膵癌患者に対する内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の治療成績の検討

演者 山井 琢陽(大阪府立成人病センター肝胆膵内科)
共同演者 上原 宏之(大阪府立成人病センター肝胆膵内科), 高田 良司(大阪府立成人病センター肝胆膵内科), 福武 伸康(大阪府立成人病センター肝胆膵内科), 蘆田 玲子(大阪府立成人病センター検診部消化器検診科), 高倉 玲奈(大阪府立成人病センター検診部精密健康診断科), 井岡 達也(大阪府立成人病センター検診部消化器検診科), 片山 和宏(大阪府立成人病センター肝胆膵内科)
抄録 【背景】膵癌進行例ではしばしば直接浸潤による消化管閉塞を経験する.特に十二指腸閉塞をきたすと閉塞症状としての嘔吐などの症状緩和の他,合併する閉塞性黄疸の治療にも難渋するため十二指腸閉塞の治療は重要である.今回当院で経験した内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の治療成績を検討する.
【対象と方法】対象は平成22年4月から24年8月末までにステント留置術を行った19例.これらに対して留置に至った理由,機能的評価としてgastric outlet obstruction scoring score(GOOSS),生存期間,合併症について検討した.
【結果】胃十二指腸ステント留置に至った主理由は嘔吐・腹部膨満感などの消化管閉塞症状出現が12例,内視鏡的胆道ドレナージ術の際の内視鏡通過困難が5例,その他1例であった.全19例中,留置時に摂食困難であった症例(GOOSS 0-1)は15例あったが13例は経口摂取が再開(GOOSS 3へ改善)でき,嘔吐などの自覚症状改善を認めた.5例の内視鏡通過困難症例はいずれも1回以上の内視鏡的胆管ドレナージ術を施行し得た.全生存期間は6-197日(平均71日)であった.合併症として追加留置を要した症例が4例,留置後持続出血2例,脳梗塞1例,遅発性縦隔気腫1例であった.
【結論】本手技は患者への負担も少なく,ステント留置後に多くの症例で嘔吐,腹部膨満感などの症状緩和が得られ,経口摂取を再開できた.また内視鏡的胆道ドレナージ術の補助的治療としても有効であった.
索引用語