セッション情報 |
ポスター
膵 外科治療
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タイトル |
P-126:膵尾部腫瘍に対する腹腔鏡下尾側膵切除術
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演者 |
松村 博臣(京都第二赤十字病院外科) |
共同演者 |
藤 信明(京都第二赤十字病院外科), 谷口 弘毅(京都第二赤十字病院外科) |
抄録 |
【はじめに】患者に対する侵襲の低減を目指す腹腔鏡下手術は,腹部外科領域において様々な疾患に対して行われている.当科では膵尾部に発生した腫瘍に対して,腹腔鏡下尾側膵切除術を行っている.これまで3例に対して行ったので報告する.【術式】4ポート方式で行う.膵臓の切離は,鏡視下手術用の自動縫合器(ECHELON60,ETICON社)で15分かけてクロージングレバーを握りこんで,膵組織を圧挫してから切離する.切除された臓器は,左季肋下に小切開を行って取り出す.【症例】症例1は70代男性の内分泌腫瘍.症例2は80代女性のIPMA.症例3は40代女性のMCNである.【結果】症例1,2は腹腔鏡下に手術を完遂でき,術後経過も良好であった.症例3は,BMIが32.7と肥満体質である上に,炎症によって膵実質が肥厚していたため自動縫合器のジョーが噛めず,途中開腹に移行した.【考察】腹腔鏡下手術の利点として,傷が小さいために術後疼痛が軽減されることが挙げられる.腹腔鏡下尾側膵切除術においても,開腹手術に比較してこの利点が当てはまると考えられる.しかしながら,膵液漏といった重篤な状態につながることがある合併症の発生が懸念される.術前に適応を十分考察する必要がある.また術中は膵切離の手技において,少しでも膵断端の処理に問題が生じた場合は,開腹して直視下に処理し直すことを躊躇してはいけない.今後,症例を重ねて治療成績の向上に努めたい. |
索引用語 |
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