セッション情報 | ポスター膵 外科治療 |
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タイトル | P-132:脾仮性動脈瘤の4例 |
演者 | 村上 智洋(磐田市立総合病院消化器外科) |
共同演者 | 嘉山 貴文(磐田市立総合病院消化器外科), 鳥居 翔(磐田市立総合病院消化器外科), 福本 和彦(磐田市立総合病院消化器外科), 神藤 修(磐田市立総合病院消化器外科), 宇野 彰晋(磐田市立総合病院消化器外科), 深澤 貴子(磐田市立総合病院消化器外科), 稲葉 圭介(磐田市立総合病院消化器外科), 松本 圭五(磐田市立総合病院消化器外科), 落合 秀人(磐田市立総合病院消化器外科), 鈴木 昌八(磐田市立総合病院消化器外科), 北村 宏(磐田市立総合病院消化器外科) |
抄録 | 脾仮性動脈瘤が偶然発見される確率は2.5%とされ,多くは腹痛や出血で発見される.破裂の死亡率は高く,未破裂の状態での積極的治療が肝要である.2007年10月~2012年7月までに当科で治療した脾仮性動脈瘤4例の臨床的特徴について報告する.【症例】年齢は48-85歳で男性3例,女性は1例であった.症状は腹部不快感2例,左上腹部痛2例であった.全例CTで診断したが,破裂1例,切迫破裂1例,未破裂2例であった.背景疾患は3例が膵炎と考えられ,1例が動脈硬化性疾患に起因すると考えられた.動脈瘤最大径は9.5-35mmであり,部位は脾動脈本幹が2例,脾門部2例,多発例は1例(3カ所)であった.治療は膵炎例では全例膵体尾部切除を行ったが,うち1例の破裂症例ではIVRで止血後に待機的手術を行った.動脈硬化性疾患を背景とした症例では当初IVRを検討したが,腹腔動脈から総肝動脈にかけての解離があり,降圧療法で経過観察の後,膵体尾部切除の方針とした.発症~手術までの期間は10-251日と幅があり,在院期間は20-37日であった.術後合併症は1例に膵液瘻(ISGPF Grade B)を認めた.【予後】4例の観察期間内(中央値991日)での再発はなし.退院後合併症なく生存中.【考察】脾仮性動脈瘤発症の背景としては膵炎が代表的であるが,膵炎発症から仮性動脈瘤形成までの期間が長い症例もあり,急性膵炎後の注意深い経過観察が必要と考えられた.また,膵炎の症状を伴わないものや,動脈硬化を背景とした,稀な症例もあり,注意を要する.破裂例に対しIVRのみの治療例も報告されているが,困難例や再出血のリスクを考慮し,手術も治療の重要な選択枝と考えられた. |
索引用語 |