セッション情報 ポスター

硬化性胆管炎

タイトル P-133:

硬化性胆管病変におけるIgG4関連疾患とアレルギー性疾患の関与について

演者 垣内 伸之(大津赤十字病院消化器科)
共同演者 内海 貴裕(大津赤十字病院消化器科), 松本 淳(大津赤十字病院消化器科), 森 義治(大津赤十字病院消化器科), 財間 千景(大津赤十字病院消化器科), 曽我部 裕子(大津赤十字病院消化器科), 西田 吉宏(大津赤十字病院消化器科), 稗田 信弘(大津赤十字病院消化器科), 松永 康寛(大津赤十字病院消化器科), 水口 綾(大津赤十字病院消化器科), 安村 聡樹(大津赤十字病院消化器科), 友野 輝子(大津赤十字病院消化器科), 日高 健太郎(大津赤十字病院消化器科), 長谷川 和範(大津赤十字病院消化器科), 本庶 元(大津赤十字病院消化器科), 近藤 雅彦(大津赤十字病院消化器科), 西川 浩史(大津赤十字病院消化器科), 三宅 直樹(大津赤十字病院消化器科), 河南 智晴(大津赤十字病院消化器科)
抄録 硬化性胆管病変を呈する疾患として原発性硬化性胆管炎や二次性硬化性胆管炎の他に,新たにIgG4関連硬化性胆管炎の疾患概念が確立されつつある.
当院で2006年4月から2012年8月までの間にIgG4関連疾患を発症したと考えられた症例は21例であった.そのうち胆管病変を有した症例は11例あった.11例の内訳は男性8例,女性3例,年齢は52歳から80歳(中央値69歳)であった.11例中6例で内視鏡的胆道ドレナージ術を行った.11例全てにステロイド治療が行われ,ドレナージを要した症例は全例でその後ドレナージ不要となった.IgG4関連硬化性胆管炎はステロイド治療への反応性が良好で,治療により胆管狭窄は改善すると考えられた.
一方,同時期に二次性硬化性胆管炎のうち好酸球性胆管炎と考えられる2症例を経験した.1例は60歳台男性でChurg-Strauss症候群に,もう1例は80歳台女性で好酸球性胃腸炎に合併した.Churg-Strauss症候群に合併した1例は高IgG4血症(983mg/dl)が見られたが,全身検索ではIgG4関連疾患で見られる他臓器病変を認めなかった.肝内胆管から肝門部胆管,胆嚢に壁肥厚を認め,肝門部からの胆管生検では好酸球浸潤と線維化を認める一方で形質細胞浸潤を認めなかったことから好酸球性胆管炎と診断した.IgG4はアレルギー性疾患でも高値となることが知られており,硬化性胆管病変の診断においてIgG4関連疾患のみならず,アレルギー性疾患の検索も行うことが重要と考えられた.
硬化性胆管病変におけるIgG4関連疾患とアレルギー性疾患の位置づけについて文献的考察を加えて発表する.
索引用語