セッション情報 ポスター

硬化性胆管炎

タイトル P-138:

原発性硬化性胆管炎を疑われたAL型肝アミロイドーシスの2例

演者 平野 賢二(東京大学消化器内科)
共同演者 水野 卓(東京大学消化器内科), 渡邊 健雄(東京大学消化器内科), 斎藤 友隆(東京大学消化器内科), 川畑 修平(東京大学消化器内科), 宮林 弘至(東京大学消化器内科), 濱田 毅(東京大学消化器内科), 内野 里枝(東京大学消化器内科), 佐々木 隆(東京大学消化器内科), 木暮 宏史(東京大学消化器内科), 山本 夏代(東京大学消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大学消化器内科), 多田 稔(東京大学消化器内科), 小池 和彦(東京大学消化器内科), 池村 雅子(東京大学病理部), 菅原 寧彦(東京大学人工臓器・移植外科), 國土 典宏(東京大学人工臓器・移植外科)
抄録 【症例1】41歳女性.人間ドックで肝障害,黄疸を指摘され前医受診.MRCP所見よりPSCを疑われ2011年8月に当科紹介(初診時T.bil 10.6 mg/dl).肝内胆管狭窄が多発し有効なドレナージは困難と考えられ,ウルソ内服にて経過観察されていたが肝機能の改善は認められなかった.生体肝移植(LDLT)の方針となったが12月の術前のCTで左頚部,縦隔,腹部大動脈周囲の多発リンパ節腫脹,肺の結節性病変が指摘され,肺結核を疑い頚部リンパ節生検を施行したが有意な所見は得られず.その後,リンパ節,肺病変の増悪は認められなかったが,肝不全が進行したため2012年3月にLDLT施行.病理学的検索によりAL型肝アミロイドーシスと診断された.術後8週辺りより心アミロイドーシスによると思われる心室性不整脈,心機能低下が顕在化し,術後74日目に永眠された.【症例2】49歳女性.2011年12月,腹痛,黄疸のため前医受診.MRCPにてPSC疑われ,胆管ステント留置後に2012年1月に当科紹介(初診時T.bil 1.4 mg/dl).精査のため当科入院したが,胆管病変の他に,低γグロブリン血症(IgG 481 mg/dl,IgM 36mg/dl,IgA 33mg/dl),両肺の多発嚢胞性病変が認められた.肝生検,肺生検が施行され,肝生検では当初は診断がつかなかったが,肺生検でアミロイド沈着が認められたため,肝病理所見を再検討し,AL型肝アミロイドーシスの診断が得られた.今後,血液内科にて精査,加療の予定である.【考察】二次性硬化性胆管炎の原因疾患として肝アミロイドーシスの報告例はほとんどない.黄疸での発症,肺病変,リンパ節腫脹,低γグロブリン血症など通常のPSCに典型的とは言い難い経過・所見は本疾患を疑う手掛かりになりうるかもしれない.
索引用語