セッション情報 ポスター

肝膿瘍

タイトル P-140:

当院における肝膿瘍25症例の検討

演者 外山 雄三(都立墨東病院内科)
共同演者 石橋 史明(都立墨東病院内科), 上山 俊介(都立墨東病院内科), 村松 祐輔(都立墨東病院内科), 港 洋平(都立墨東病院内科), 宮本 勇治(都立墨東病院内科), 間野 真也(都立墨東病院内科), 古本 洋平(都立墨東病院内科), 村山 巖一(都立墨東病院内科), 浅野 徹(都立墨東病院内科), 忠願寺 義通(都立墨東病院内科), 藤木 和彦(都立墨東病院内科)
抄録 【目的】画像での肝膿瘍の診断は比較的容易であるが原因菌や病態に応じた治療が必要である.原因菌を同定するにあたり患者背景を把握することが治療方針の決定材料となりうる.そのため当院における肝膿瘍症例について細菌性とアメーバ性肝膿瘍の比較検討を行った.【方法】2010年7月から2012年8月までに当院で入院加療を行った肝膿瘍症例25症例(男性17例,女性8例)を対象とした.細菌性23例(平均年齢62.7歳,男性15例,女性8例),アメーバ性4例(平均年齢49.5歳,男性3例,女性1例),2例は重複例.【成績】細菌性肝膿瘍に関しては主訴として発熱(100%),悪寒(21.7%),腹痛(17.3%)の順で多く,起因菌としてKlebsiella pneumonia(30.4%),E.coli(8.6%),Fusobacterium sp(8.6%),Streptococcus constellatus(8.6%)の順で認めた.基礎疾患として高血圧(47.8%),糖尿病(21.7%),胆石(17.3%)の順で認めた.採血では平均白血球数13,982/μl,平均CRP20.5mg/dlと顕著な増加を認め画像上では単発16例(69.5%),多発例7例(30.4%)で認めた.治療では14例(60.8%)で経皮的膿瘍ドレナージが施行された.また膿瘍ドレナージ施行群と非施行群の平均在院日数は28.0日vs34.1日と施行群の方が優位に短かった.抗生剤選択では第2世代セフェム系(CMZ)とβラクタマーゼ阻害薬配合剤(ABPC/SBT,CPZ/SBT)が91.3%を占めた.アメーバ性肝膿瘍に関しては主訴として発熱(100%),腹痛(75%)の順で多く,画像上では単発4例(100%)で認めた.治療は全例メトロニダゾール内服にて改善した.平均在院日数は29.2日であった.すべての症例(細菌性およびアメーバ性)で死亡例は認めなかった.【結論】当院における肝膿瘍症例に関して臨床的特徴を比較検討し文献的考察も含めて報告する.
索引用語