| セッション情報 | ポスター肝膿瘍 |
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| タイトル | P-143：高齢者肝膿瘍症例に対する高圧酸素療法の有用性について |
| 演者 | 奥本 和夫（山形大学医学部消化器内科） |
| 共同演者 | 渡辺 久剛（山形大学医学部消化器内科）, 勝見 智大（山形大学医学部消化器内科）, 冨田 恭子（山形大学医学部消化器内科）, 佐藤 智佳子（山形大学医学部消化器内科）, 芳賀 弘明（山形大学医学部消化器内科）, 石井 里佳（山形大学医学部消化器内科）, 西瀬 雄子（山形大学医学部消化器内科）, 斎藤 貴史（山形大学医学部消化器内科）, 上野 義之（山形大学医学部消化器内科） |
| 抄録 | 【目的】肝膿瘍の治療の第1選択は抗生剤投与およびドレナージであるが，時に治療に難渋することがあり，高齢者においては敗血症をきたし致死的となることもある．高圧酸素療法（HBO）は，肝膿瘍に有用であることが報告されているが高齢者における治療効果，安全性については明らかでない．今回我々は高齢者に発症した肝膿瘍3例に対してHBO療法を行い，その効果と副作用，安全性について検討したので報告する．【方法】80歳代の肝膿瘍3例に対してHBO療法を行った．いずれの症例も抗菌剤とともにHBOを2気圧1時間/1日で14日間併用し効果と副作用について検討した．【結果】（症例1）81歳女性．S4に30mm大の単発膿瘍．WBC21400/μl，CRP14.1mg/dl，AST60U/l，ALT47U/l，起炎菌Klebsiella pneumonie，ドレナージ併用し30日で膿瘍は消失．HBO開始当初，気分不良を認めたが軽快した．（症例2）83歳女性．肝両葉4か所に30-50mm大の膿瘍と胸水を認めた．WBC21000/μl，CRP33.7mg/dl，AST242U/l，ALT264U/l，起炎菌α-Streptococcus，ドレナージ併用し膿瘍消失まで約2か月を要した．HBO開始当初気分不良と耳痛を認めたが軽快した．（症例3）80歳，男性．肝左葉全体に蜂巣状形態を示す膿瘍．WBC9190/μl，CRP22.9mg/dl，AST124 IU/l，ALT94IU/l，起炎菌Klebsiella pnumonie，ドレナージ施行せず．HBO療法開始当初耳痛を認めたが，唾をのんだり飴をなめることによって症状は軽快し，30日で膿瘍は消失．【考察】HBOは細菌の増殖を抑制し，白血球の貪食能を上昇させる効果が知られている．さらに局所微小血流を改善させ，効果的に抗生剤などの薬剤が到達し治療効果が増すと考えられた．【結果】HBOが有用であった高齢者肝膿瘍症例3例を経験した．気分不良や耳痛等の症状を認めたがいずれも完遂が可能であった．体力，免疫能の低下した高齢患者では安全で効果的な治療としてHBO療法は積極的に検討すべき治療であると思われた． |
| 索引用語 |