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肝 他1

タイトル P-149:

地域一般病院における肝生検の有用性―3症例の経験から―

演者 相澤 茂幸(服部記念病院内科)
共同演者 山本 浩治(服部記念病院内科), 佐藤 芳樹(服部記念病院内科), 吉岡 靖策(服部記念病院内科), 加藤 佐紀(服部記念病院内科), 横井 祐子(服部記念病院内科), 大浦 元(服部記念病院内科), 小島 邦行(服部記念病院内科), 餅 忠雄(服部記念病院内科), 吉治 仁志(奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科), 福井 博(奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科)
抄録 <はじめに>地域一般病院では診療科や検査ツールが限られており,消化器以外の疾患に伴う消化器症状の診断に苦慮することが多い.今回,我々は全身疾患に伴う肝機能異常の診断に肝生検が有用であった3例について報告し,地域一般病院における肝生検の有用性について考察した.<症例1>69歳男性.慢性膵炎,自己免疫性肝炎で通院中に,高LDH血症・低酸素血症・血小板減少を認め入院.リンパ節腫脹や固形腫瘤は認めなかったが,肝機能増悪(AST 159 IU/l,ALT 76 IU/l,LDH 2188 IU/l)を認めるため肝生検を行ったところ,類洞内に腫瘍細胞の浸潤を認めたため血管内リンパ腫を疑い血液内科に転院となった.<症例2>69歳男性.COPDで在宅酸素療法中,発熱と胸痛を認め入院.肺に浸潤影を認め抗生剤を投与するも無効で,胆道系優位の肝障害(AST 109 IU/l,ALT 174 IU/l,ALP 2028 IU/l)とPETで両側肺門部リンパ節の集積を認めた.肝生検を行ったところ,類上皮性肉芽腫を認めたためサルコイドーシスを疑い呼吸器内科に紹介となった.<症例3>82歳男性.1ヶ月前からの腰痛と発熱で入院となった.第1腰椎圧迫骨折を認める以外,特異的な所見なく弛張熱が続いた.感染性脊椎炎を疑い抗生剤を投与するも無効で,胆道系優位の肝障害(AST 77 IU/l,ALT 56 IU/l,ALP 949 IU/l)を認めるため肝生検を行った.結果,類上皮性肉芽腫と多核巨細胞を認め,またクオンティフェロンが陽性を示したことを考慮し結核性脊椎炎および肝結核を疑い抗結核剤を開始した.<考察>肝生検が診断の手がかりとなった3例を経験した.症例1は血液悪性疾患で,症例2,3は肉芽腫性疾患であった.いずれの症例も肝生検を行うことにより,早期に診断を方向づけ治療に結びつけることかできた.肝生検は地域一般病院においても積極的に検討するべき診断ツールと考えられた.
索引用語