セッション情報 ポスター

膵 診断1

タイトル P-152:

MRI/MRCPによる膵臓における膵がん高危険所見率の検討

演者 佐々木 賢(名張市立病院内科)
共同演者 久保田 裕之(名張市立病院内科), 山中 豊(名張市立病院内科), 我山 秀孝(名張市立病院内科), 伊藤 宏雄(名張市立病院内科), 白木 克哉(三重大学医学部附属病院消化器肝臓内科)
抄録 【目的】膵がんの年間死亡率は年々増加しているが,早期診断は困難である.早期診断を目的としたUS,CT,MRIはそれぞれ長所,短所があり組み合わせて診断をすることが勧められている.一方,膵がんの危険因子として,膵のう胞,慢性膵炎などが知られている.そこで,膵管,膵のう胞性病変の描出に優れているMRI/MRCPを用いて,これらの膵がん高危険因子の異常所見の頻度について検討した.【方法】当院で施行されたMRCP125例を対象とし,膵管拡張,膵のう胞の有所見率を解析した.また,膵がん例における膵管像についても検討した.対象は平均年齢72歳,男性58名,女性67名であった.【結果】125例の症例の基礎疾患は胆石症40例,胆嚢炎24例,胆管癌2例,胆嚢癌1例,膵がん6例であった.125例中膵のう胞性病変は15例,また主膵管拡張を12例に認めた.膵がん症例6例においては,非癌部膵管病変では,膵のう胞1例,主膵管拡張を1例に認めた.【結論】MRI/MRCPは非侵襲的に膵全体を検査可能で癌検診のスクリーング法として優れている.膵がんの高危険群と考えられる膵のう胞性病変と主膵管拡張の描出に特に優れており,同所見が比較的多くの人にみられることが判明した.これらの人を精査,経過観察にて膵がんの早期発見に寄与できる可能性が示唆された.
索引用語