セッション情報 ポスター

膵 診断2

タイトル P-158:

当院における膵腫瘤性病変に対するEUS-FNA診断の現状

演者 植木谷 俊之(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学)
共同演者 戒能 聖治(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 播磨 博文(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 末永 成之(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 原野 恵(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学)
抄録 【背景】EUSは膵胆道疾患において有用な検査法である.EUSガイド下に穿刺針を病変に穿刺し吸引生検・細胞診を行うEUS-FNAは普及しつつある.【目的】当院での膵腫瘤性病変に対するEUS-FNA診断状況を評価し,EUS-FNAの有用性,問題点について明らかにする.【対象・方法】対象は2010年1月~2012年3月までに,当院で膵腫瘤性病変に対してEUS-FNAを施行した77例82件(手術30例,非手術47例).男女比は41:36.平均年齢は67.8歳(37-89歳).平均腫瘍径は30.5mm(10-96mm).手術例ではEUS-FNA診断が術後の病理診断と一致するか,非手術例では6か月以上の画像検査による経過観察で診断が妥当か評価した.超音波内視鏡はGF-UCT240(Olympus社製)を使用した.1)全体の検体採取率・正診率,2)腫瘤径別検体採取率・正診率(20mm未満;11例13件,20mm以上;66例69件),3)部位別検体採取率・正診率(膵頭部;41例43件,膵体尾部;36例39件),4)偶発症について検討した.【結果】1)検体採取率は82件中77件(93.9%),正診率は77件中74件(96.1%)であった.2)検体採取率は,20mm未満では13件中11件(84.6%),20mm以上では69件中66件(95.7%)であった《p=0.1762》.正診断率は,20mm未満では11件中10件(90.9%),20mm以上では66件中63件(95.5%)であった《p=0.4674》.3)検体採取率は,膵頭部では43件中39件(90.7%),膵体尾部では39件中38件(97.4%)であった《p=0.3624》.正診率は,膵頭部では39件中37件(94.9%),膵体尾部では38件中37件(97.4%)であった《p=1.0000》.4)82件中1件(1.2%)で術後膵炎を発症したが,保存的に改善した.【考察】膵腫瘤性病変に対するEUS-FNAは安全かつ有効な診断法である.検体採取不能・不十分であった病変は膵鉤部・脾門部・groove領域の腫瘤や多血性腫瘤で,検体採取が充分行えず,診断が困難であった.【結語】膵腫瘤性病変に対するEUS-FNAは有用な検査法である.診断能の向上には,内視鏡技術の向上と共に内視鏡・処置具の改良が望まれる.
索引用語