セッション情報 | ポスター膵 診断2 |
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タイトル | P-163:当科における高齢者に対するEUS-FNAの現状 |
演者 | 田口 宏樹(鹿児島大学病院光学診療部) |
共同演者 | 船川 慶太(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 豊倉 恵理子(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 田中 啓仁(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 小薗 雅哉(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 岩屋 博通(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 中澤 潤一(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 坪内 直子(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 那須 雄一郎(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 藤田 浩(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学), 沼田 正嗣(鹿児島大学病院光学診療部), 井戸 章雄(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学) |
抄録 | 【はじめに】超音波内視鏡下吸引針生検(EUS-FNA)は膵臓をはじめとする組織生検が困難な臓器において,低侵襲性に加え診断率の高さから,治療方針を決定づける重要な検査の一つに位置付けられており,今後さらに普及していく技術と考えられる.しかしながら,世界保健機関(WHO)が65歳以上と提唱するいわゆる高齢者におけるリスクとベネフィットを加味したEUS-FNAの意義については今までに報告されたことがない.今回我々は当科における高齢者に対するEUS-FNA症例についてretrospectiveに検討し,その意義を検証した.【方法】当科にて2005年2月より2012年9月までにEUS-FNAを施行した275例のうち,高齢者(65歳以上)137例(平均年齢74.2歳)と非高齢者(64歳以下)138例(平均年齢54.6歳)を対象に比較検討を行った.検討項目は男女比,穿刺臓器,診断率,偶発症,検査時に入院中または外来かどうか(以下,入院/外来)とした.【結果】高齢者群において男女比は76:61,穿刺臓器は膵臓93例,胃21例,リンパ節9例,食道5例,十二指腸4例,胆管3例,大腸1例,後腹膜1例であった.診断率は80.3%であり,偶発症は5.1%(膵炎3例,出血3例,肺炎1例)であった.膵炎3例のうち,2例については同日内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を施行したことも原因と考えられた.偶発症については,全症例が保存的加療にて軽快した.また,入院/外来については107例/30例であった.それぞれの項目について非高齢者群と比較すると,入院検査/外来検査については有意差を認めるものの,その他の項目については有意差を認めず,診断率においては高齢者に高い傾向となった.【結語】高齢者におけるEUS-FNAは,非高齢者と同様に有意義な検査であると考えられ,症例によっては外来での検査も積極的に行いうると考えられた. |
索引用語 |