セッション情報 ポスター

自己免疫性膵炎

タイトル P-170:

自己免疫性膵炎に対する2011年診断基準の診断能の検討および国際コンセンサス診断基準との比較

演者 久保 敦司(倉敷中央病院消化器内科)
共同演者 石田 悦嗣(倉敷中央病院消化器内科), 吉田 司(倉敷中央病院消化器内科), 清輔 良江(倉敷中央病院消化器内科), 松枝 和宏(倉敷中央病院消化器内科), 山本 博(倉敷中央病院消化器内科), 能登原 憲司(倉敷中央病院病理検査科)
抄録 【背景】1型を対象としたAIPに対して2011年診断基準(2011DC)が作成された.2011DCは作成されて間もないことから診断能は未知である.また国際コンセンサス診断基準(ICDC)の診断能との比較も不明である.【目的】2011DCの診断能を検討し,ICDCの診断能との比較を評価する.【対象】当科で診断した1型AIP患者42例.【方法】2006年診断基準(2006DC)を満たす症例と満たさない症例に分け,2011DCおよびICDCを用いて再度診断した.【結果】2006DC合致例33例(78.5%),非合致例9例(21.5%)であった.2011DCで診断し直すと,2006DC合致33例は全て確診.非合致例では,確診3例,準確診1例,疑診1例,AIPとは診断できないものが4例であった.2011DCの診断能は準確診まで含めると,37/42例(88.1%)であった.一方ICDCで診断し直すと2011DCで疑診と診断された症例がNOSの診断となり,そのほかは全て一致した.ICDCの診断能はNOSまで含めると,38/42例(90.4%)であり,2011DCとほぼ同等の結果であった.【結語】当科におけるAIPの診断能は2006DCでは78.5%であったのに対し,2011DCでは88.1%,ICDCでは90.4%と向上を認め,2011DCの診断能はICDCと同程度の診断能を有し,1型AIPの診断には有用であった.診断能の向上には膵外病変の評価などが診断基準に付加されたことが起因したものと思われた.当科では容易にステロイドオプションを行わない方針であり,今回AIPと診断できなかった症例には1型・2型AIPが疑われたが,ステロイドを投与しなかったことで診断されなかったものと思われる.
索引用語