セッション情報 | ポスター自己免疫性膵炎 |
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タイトル | P-172:当院で経験した自己免疫性膵炎18例の検討 |
演者 | 橋詰 清孝(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科) |
共同演者 | 大久保 賢治(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 森田 清(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 竹内 淳史(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 金沢 宏信(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 清水 潤一(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 横山 晋也(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 西村 大作(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科), 片田 直幸(JA愛知厚生連豊田厚生病院消化器科) |
抄録 | 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)の臨床像を明らかにすることを目的とした.【方法】2002年から2012年の間で当院にてAIPと診断された18例に対して,診断を自己免疫性膵炎臨床診断基準2011に従い,retrospectiveに評価した.【結果】年齢は16歳から83歳(平均62.3歳),性別は男性17例,女性1例.主訴は心窩部痛8例,黄疸3例,体重減少2例,背部痛1例,慢性咳嗽1例,無症状3例.12例で肝胆道系酵素の上昇を認め,16例でIgG4高値であった.診断基準に含まれる膵外病変は硬化性胆管炎3例と唾液腺炎1例と後腹膜線維症1例であった.また悪性腫瘍との合併は4例であった.2011年の診断基準では,確診が13例,準確診が4例,疑診が1例となり,びまん型と限局型は各々9例ずつであった.病理所見で診断された症例は3例であった.治療は手術を行った1例を除き,17例でステロイド治療を行った.9例は現在も維持療法を行っており,5例は寛解しステロイド維持療法を終了となっている(3例は追跡できず).再燃は7例に見られ,ステロイド減量中の再燃が5例,維持療法終了後の再燃が2例であった.前者5例は現在も維持療法中であるが,後者2例は現在ステロイド治療を終了となっている.生命予後は経過を追える限り全例生存である.【結論】AIPは中高年の男性に多く,しばしば腹部症状や黄疸を認めるが,自験例でも15例が中高年の男性であり,心窩部痛と黄疸を主訴とする例が全体の約6割を占めた.画像所見では超音波検査やCTにて膵腫大と特徴的なcapsule-like rim(11例)を認めた.ステロイド治療を行った例では全例にて症状の改善が認められたが,7例(39%)で再燃した.再燃例は7例中4例で診断時のIgG4値が高値であり,3例は膵外病変を伴っていた.ステロイド減量法や再発予防については未だ確立しておらず,今後さらなる検討が必要である. |
索引用語 |