セッション情報 | ポスター自己免疫性膵炎 |
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タイトル | P-173:当院における自己免疫性膵炎の臨床像と経過不良因子の検討 |
演者 | 松原 浩(豊橋市民病院消化器内科) |
共同演者 | 浦野 文博(豊橋市民病院消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院消化器内科), 山田 雅弘(豊橋市民病院消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院消化器内科), 田中 浩敬(豊橋市民病院消化器内科), 田中 卓(豊橋市民病院消化器内科), 廣瀬 崇(豊橋市民病院消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)の臨床的特徴と長期予後について検討し,AIP診療にとって重要な因子を明確にすること.【方法】2003年2月から2012年8月まで,当科で経験したAIP 20例について,発症契機,嗜好歴,随伴症状,血液検査所見,画像検査所見,治療経過,予後について検討し,さらに経過不良因子について解析を行った.診断は,日本膵臓学会におけるAIP診断基準の変遷とともに行った.【結果】内訳:type I AIP確診例18例,typeII AIP疑診例2例.性別:男性15例,女性5例.平均年齢:59.7±16.9(18~80歳).診断契機(重複を含む):黄疸7例,膵腫瘍8例,腹痛7例,耐糖能不良2例.嗜好歴(重複を含む):飲酒(診断後も50g/日以上の飲酒を継続したもの)7例,喫煙者7例.既往歴:糖尿病11例,潰瘍性大腸炎3例.発症時血清AMY:143.5±186.6(7~313U/L).診断時血清IgG4:281.6±297.3(10~1040mg/dL).膵病変の主座:頭部7例,体部2例,尾部2例,全体9例.膵の病変範囲(skip症例を含む):1区域9例,2区域2例,3区域9例.随伴症状:膵による圧排性胆管狭窄3例,硬化性胆管炎(SC)3例,腎疾患1例,硬化性唾液腺炎4例,後腹膜線維症3例.ステロイド治療は18例に対して行い,全て30mg内服から開始している.2例は治療介入なく経過観察となっている.経過中に再燃したものを6例認めたが,全例type I AIPであった.また,経過中に画像上膵に萎縮を認めたものを4例,膵石発生を1例に認めた.悪性疾患の合併はなく,全例生存中である.経過中に再燃したもの,画像上膵萎縮,膵石を認めたものを経過不良例とすると,性,飲酒,SC,腎疾患が有意な危険因子であった(p<0.05).有意差を認めた4群で多変量解析を行うと,飲酒,腎疾患で相関を認め,最も強い危険因子は飲酒(p=0.12,95%信頼区間:0.122~0.838)であった.【結論】飲酒,腎疾患はAIP経過不良の危険因子である.AIP診療においては,禁酒指導が重要である. |
索引用語 |