セッション情報 ポスター

肝癌1

タイトル P-177:

当院における非B非C肝細胞癌の実態

演者 阿座上 隆広(市立三次中央病院消化器内科)
共同演者 濱田 敏秀(市立三次中央病院消化器内科), 中村 真也(市立三次中央病院消化器内科), 小刀 崇弘(市立三次中央病院消化器内科), 高場 敦久(市立三次中央病院消化器内科), 趙 成大(市立三次中央病院消化器内科), 向井 伸一(市立三次中央病院消化器内科), 平田 研(市立三次中央病院消化器内科), 中西 敏夫(市立三次中央病院消化器内科)
抄録 【目的】近年の肝細胞癌(HCC)の患者の特徴として非B非C慢性肝疾患(NBNC)患者の増加が知られている.当院の最近5年間のHCC患者も33%をNBNCが占める.NBNC肝癌の臨床的特徴について検討した.【方法】当院で2007年から2011年の5年間にHCCを診断し治療を開始した患者96名についてNBNC(n=32)およびetiologyがB型・C型肝炎のもの(BC/n=64)の2群に分け,診断時年齢・性別,Performance status(PS),アルコール歴,肝予備能,臨床病期,糖尿病の有無,予後について調査・比較した.B型,C型についてはそれぞれHBs-Ag陽性およびHCV-Ab陽性で定義した.【結果】NBNC 32例のうちアルコール多飲歴のある患者(アルコール性)は22例(全体の23%)であり,BC 64例の内訳はB型症例9例(9%),C型症例55例(57%)であった.診断時年齢(中央値)は,70/75歳(NBNC/BC,以下同,P=0.035).男性症例は93%/43%(P=0.001).PS 0症例の占める割合は53%/73%(P=0.047).Child-Pugh Aの占める割合は50%/61%(NS).主腫瘍径φ5cm以上の症例は47%/27%(P=0.047).cStageは(6/11/7/2/6)/(11/28/14/6/5)(NS).糖尿病症例38%/23%(NS).生存期間中央値は17/27ヶ月とBCで有意に予後が良く(P=0.046),死因に有意差を認めなかった.血液生化学データで両群間に有意差を認めたものはAST/ALT比(2.15±1.21/1.42±0.52,P<0.001)およびGGT(237±232/106±171IU/L,P<0.001)であった.また,AFP値100ng/mL以上の患者の割合がNBNCで有意に多かった(50%/23%,P=0.010).アルコール性と非アルコール性両群間で有意差が認められたデータは,血小板数,主腫瘍径φ5cm以上,診断時年齢であった.【結論】当院のNBNC肝癌患者はBCに比べて若年かつ男性が多く,主腫瘍径φ5cm以上で,何らかの症状がある状態で発見される症例が多い.NBNC患者の31%を占める非アルコール性をアルコール性と比較すると,高齢,血小板数が多い,主腫瘍径φ5cm以上が多い,という特徴があった.
索引用語