セッション情報 ポスター

肝癌1

タイトル P-178:

当院における高齢者の非B非C型肝細胞癌症例の臨床的検討

演者 小野田 泰(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科)
共同演者 今井 那美(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 岩久 章(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 大石 睦実(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 田中 賢(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 小林 剛(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 小林 裕彦(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 木下 晃吉(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 伏谷 直(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 坂部 俊一(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 木島 洋征(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 宮川 佳也(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 小池 和彦(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 西野 博一(東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器肝臓内科), 田尻 久雄(東京慈恵会医科大学附属病院消化器肝臓内科)
抄録 【目的】高齢者のNBNC型HCCについて臨床的検討を行った.【対象および方法】2005年1月から2010年12月までに当院で初回治療時75歳以上の高齢者77例を対象とした.成因(頻度%)はHBs抗原陽性(B型)およびHCV抗体陽性(C型)50例(65%),HBs抗原・HCV抗体共に陰性のNBNC型は27例(35%)であった.NBNC型の中で,アルコール多飲のある8例(10%),AIH1例,PBC2例,IPH1例を除く残りの15例(19%)をNBNCNAL型とし,NBNC型,NBNCNAL型と,B型C型間で,各種比較検討を行った.【結果】平均年齢は,NBNCNAL型は有意に高齢であり(P<0.05),男/女比に差はなかった.B型C型は,NBNCNAL型に比しAST値が,また,NBNC型およびNBNCNAL型よりALT値が有意に高く(P<0.05),逆に,B型C型に比し,NBNC型はγGTP値が有意に高かった(P<0.05).BMI平均値,肥満の合併頻度は,NBNC型とB型C型間で差はなかったが,NBNCNAL型は,両者とも有意に高かった(P<0.01,P<0.05).糖尿病合併の頻度はNBNC型およびNBNCNAL型いずれも有意に高く(P<0.01,P<0.05),アルコール多飲の割合はNBNC型が有意に高かった(P<0.05).腫瘍最大径はNBNC型,NBNCNAL型とも,有意に大きく(P<0.05,P<0.05),腫瘍3cm・3個以内,stage分類1/2の割合は,B型C型が,NBNC型およびNBNCNAL型に比して有意に高かった(vs NBNC型P<0.01,P<0.05;vs NBNCNAL型P<0.05,P<0.05).累積生存率には差がなかった.【結語】高齢者のNBNC型HCCにおいて,肥満や糖尿病は発癌の危険因子として,より重要性が高いことが示唆された.高齢者といえども,生活習慣の改善と定期的な経過観察により,発癌予防ならびに早期診断が可能となり,積極的な治療介入により予後が改善する可能性が考えられた.
索引用語