セッション情報 | ポスター肝癌1 |
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タイトル | P-179:非肝疾患との比較検討による非B非C型肝癌ハイリスクグループ設定の試み |
演者 | 實藤 宏美(松江赤十字病院消化器内科) |
共同演者 | 内田 靖(松江赤十字病院消化器内科), 板倉 由幸(松江赤十字病院消化器内科), 山本 悦孝(松江赤十字病院消化器内科), 山下 詔嗣(松江赤十字病院消化器内科), 原田 恵理奈(松江赤十字病院消化器内科), 花岡 拓哉(松江赤十字病院消化器内科), 千貫 大介(松江赤十字病院消化器内科), 藤澤 智雄(松江赤十字病院消化器内科), 串山 義則(松江赤十字病院消化器内科), 香川 幸司(松江赤十字病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】昨今,HBs抗原陰性,HCV抗体陰性(非B非C型)の肝癌が増加しているが,ハイリスクグループの設定に苦慮している.これまでウイルス性慢性肝疾患との比較は報告されているが,非肝疾患との比較検討は少ない.今回我々は非肝疾患とその臨床背景を比較し,ハイリスクグループ設定を試みた.【方法】2004年から2011年の8年間に,当院にて入院加療を行った新規肝癌256症例(男性180例:女性76例,平均年齢71.1歳)の非B非C型の背景因子につき検討を行った.次に,肝外病変,血管侵襲,多発といった進行例を除く,単発5cm未満または3個以内かつ3cm未満の根治治療適応となる早期非B非C肝癌45例と,年齢,性別を一致させた同時期に当院循環器科入院した非肝疾患例につき,その臨床背景の比較検討を行った.統計解析にはSPSS2を用いた.【結果】B型18.6%(61.1歳),C型45.7%(72.3歳)に対し,非B非C型は35.2%(75.1歳)と全肝癌の1/3を占め,高齢であった.腫瘍マーカーでPIVKA-2のみ上昇した症例がB型19.4%,C型18.1%に対して,非B非C型45.2%とPIVKA-2高値である傾向があった.次に,非肝疾患との単変量解析では,飲酒,Alb,ALT,ZTT,ChE,血小板値に有意差が認められたが,BMI,糖尿病合併に差は認められなかった.上記項目につき多変量解析を行ったところ,ZTT(10K.U.以上),ChE(200 IU/l未満)のみに有意差が認められた.【結語】肥満,糖尿病合併は非B非C型肝癌発症に関与していると考えられるが,同時に動脈硬化,心・脳血管障害のリスクファクターである.今回,循環器疾患を対象としたため,肥満,糖尿病合併に有意差が認められなかった.非B非C型肝癌のサーベイランスとして,肥満,糖尿病症例全てを超音波スクリーニングすることは困難である.我々は,かかりつけ医でも実施可能なZTT,ChE値からハイリスクグループを設定することを提案する. |
索引用語 |