セッション情報 | ポスター肝癌2 |
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タイトル | P-183:診断が困難であった肝細胞癌の検討 |
演者 | 荻原 伸悟(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科) |
共同演者 | 松本 紘平(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 北村 庸雄(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 山中 晃一郎(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 岡田 安郎(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 岩本 志穂(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 岡村 庸介(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 北沢 尚子(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 丸木 実子(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 川上 智寛(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 鈴木 真由(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 須山 正文(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科) |
抄録 | はじめに:肝細胞癌の診断はUSやdynamic CT,MRI(EOB)で10mm程度の腫瘍が診断されている.このような診断法を用いても診断が困難であった肝腫瘍の症例を2例経験したので報告する.症例1:45歳,女性.1カ月前より食欲不振を自覚し当院を受診.腹部触診で肝腫大を認め,血液検査でAST 183IU/l,ALT 101IU/l,ALP 2085IU/l,γGTP 454IU/lと肝機能障害を認めた.PIVKA-2 41万mAU/ml,AFP 100万ng/ml以上と異常高値であった.腹部CTでは,肝腫大あり,肝両葉広範に境界不明瞭な低吸収域を伴っていた.同部は動脈相で内部不均一に造影され,平衡相で多発する低吸収結節影が認められた.また,門脈左右枝~脾静脈内にも不均一な造影効果を認めた.肝細胞癌としては,非典型的であり,超音波ガイド下に門脈臍部から腫瘍生検を行った.病理組織で中分化型肝細胞癌を認め,びまん浸潤型肝細胞癌及び門脈腫瘍塞栓と診断した.その後,TACEを繰り返し施行したが,6ヶ月後に永眠した.剖検で肝内に腫瘤性病変をみとめず,門脈内を上腸管膜静脈から小腸末梢の静脈,膵内静脈まで腫瘍栓がみられた.原発巣は不明であった.症例2:82歳,女性.右側腹部痛を主訴に当院を受診.血液検査ではAST 2937IU/l,ALT 1662IU/lと著明な肝機能障害,Hb 6.2g/dlと貧血を認めた.AFPの上昇はなかった.腹部CTでは,肝右葉に11×9cm大の内部不均一な低吸収腫瘤を認め,不均一な増強効果を伴っていた.また,腹水が貯留し,腫瘤辺縁との境界が一部不明瞭であった.腫瘍の腹腔内への破裂と考え,血管造影で腫瘤内に血流は認めず,出血源も特定できなかった.6月後のCTでS4に早期相に濃染し,その後washoutされる腫瘍が出現した.造影MRIでは,肝細胞相で低信号腫瘍となり,肝細胞癌と診断した.肝予備能が不良でありTACEを繰り返し施行している.今回診断に苦慮した肝腫瘍の症例を経験した.検査画像・病理所見含め,供覧する. |
索引用語 |