セッション情報 ポスター

肝癌2

タイトル P-186:

高齢者肝細胞癌合併胃静脈瘤に対するB-RTOの現状

演者 松岡 俊一(日本大学医学部・消化器肝臓内科)
共同演者 山上 裕晃(日本大学医学部・消化器肝臓内科), 森山 光彦(日本大学医学部・消化器肝臓内科)
抄録 【背景】肝細胞癌合併胃静脈瘤の治療方針に明確な治療適応や基準はない.また肝疾患も年々高齢化しており,このような症例に遭遇する機会が増加している.【目的】高齢者におけるB-RTO適応の胃静脈瘤症例に関して,合併した肝細胞癌の治療もふまえて現状を報告する.【対象と方法】2007年2月以降にB-RTOを施行した43例中65歳以上の高齢者29例の検討.年齢中央値72.9(65-80)歳,男:女=15:14,Child-Pugh A:B:C=18:11:0で成因はHBV:HCV:NBNC=2:20:7.B-RTOの成功率は,日本門脈圧亢進症学会編:門脈圧亢進症取扱い規約「改訂第二版」2004の内視鏡所見記載基準に従いF1以上の改善を示したもの,ないしは消失したものを成功例と判定して算出した.【成績】肝細胞癌合併は44.8%(13/29),非合併は55.2%(16/29)であった.肝細胞癌の治療は手術が46.2%(6/13),肝動脈化学塞栓術が30.8%(4/13)で,これらは全例肝癌治療に先行してB-RTOを行っていた.肝癌治療適応外と判断されたものは23.1%(3/13)だがB-RTOは行った.高齢者に対するB-RTO全体の成功率は89.7%(26/29)であり,肝細胞癌治療に先行したB-RTOの成功率は100%(10/10)であった.【考察】当施設の高齢者B-RTO症例の約半数に肝細胞癌を合併していた.B-RTOを先行し,肝細胞癌に対して安全に肝切除及び肝動脈化学塞栓術などの治療が行えた.【結語】高齢者でも肝細胞癌合併胃静脈瘤に対して安全にB-RTO,肝癌治療が施行できる.
索引用語