セッション情報 ポスター

大腸内視鏡治療1

タイトル P-190:

当院における大腸ESDの現況(高周波はさみ鉗子の有用性と課題)

演者 小池 潤(東海大学医学部消化器内科)
共同演者 中島 貴之(東海大学医学部消化器内科), 藤澤 美亜(東海大学医学部消化器内科), 中村 淳(東海大学医学部消化器内科), 内田 哲史(東海大学医学部消化器内科), 湯原 宏樹(東海大学医学部消化器内科), 五十嵐 宗喜(東海大学医学部消化器内科), 鈴木 孝良(東海大学医学部消化器内科), 松嶋 成志(東海大学医学部消化器内科), 峯 徹哉(東海大学医学部消化器内科)
抄録 【背景】大腸ESDは高度な技術が要求され,先進医療として実施されてきたが,2012年4月に保険収載された.当院では2009年に開始したが,偶発症発生のため少数例にとどまっていた.しかし2011年に高周波はさみ鉗子を導入後症例数が増加している.【目的】当院での大腸ESDの成績から高周波はさみ鉗子の有用性と課題について検討する.【方法】2009年6月~2012年8月までに施行した大腸ESD症例を集積し,治療成績を検討した.【結果】症例は2009年1例,2010年7例,2011年40例,2012年19例(21病変)計67例(69病変)施行.男性33,女性34.平均年齢67歳(35-90歳),scopeはPCF-Q260JI,GIF-Q260J(Olympus社製).デバイスは先端系7,高周波はさみ鉗子58,高周波はさみ鉗子+先端系4.局注液はヒアルロン酸ナトリウム,止血は大腸用止血鉗子,高周波装置はVIO300D(ERBE社製),先端アタッチメントとCO2送気は必須とした.病変部位はR32,A12,C9,S7,T7,D2.病理診断は腺腫/早期癌63,カルチノイド6.腺腫/早期癌の病型はLST 56(LST-G39,LST-NG 17),Is 3,Is+lla 2,Isp 1,lla+llc 1,(EMR後再発3).治療平均時間は131分(25-360分),平均腫瘍長経28.3mm(4-65mm),一括切除率96%,完全一括切除率78%,穿孔は3例(4.3%)で遅発穿孔1例のみ手術治療を要した.後出血は3例(4.3%)で,すべて内視鏡的止血を施行した.短期間であるが,転移・局所再発を認めていない.【考察】当院では高周波はさみ鉗子を導入後症例数が増加した.偶発症発生頻度は他施設と同程度であった.一括完全切除率が低く,熱変性の影響を考慮に入れ,切除線をやや広めに設定する必要性が考えられた.【結語】大腸ESDにおいて高周波はさみ鉗子は導入初期段階施設においても安全に施行し得るデバイスと考える.また高周波はさみ鉗子は切開部位を把持し直すことが可能であり,トレーニー教育の面からも有用と考える.
索引用語