セッション情報 ポスター

大腸内視鏡治療2

タイトル P-194:

当院における大腸ステント留置術の成績

演者 二宮 朋之(愛媛県立中央病院消化器病センター内科)
共同演者 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 二宮 恵子(愛媛県立中央病院検査部), 清水 祐宏(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 白石 明子(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 宇都宮 大貴(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 山子 泰加(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 平岡 淳(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 宮田 英樹(愛媛県立中央病院消化器病センター内科), 長谷部 昌(済生会今治病院内科), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院消化器病センター内科)
抄録 【目的】2012年1月より悪性大腸狭窄に対する治療として大腸ステントが可能になった.当院における大腸ステント留置術施行例について安全性と有用性を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は当院で2012年1月から8月までに大腸ステント留置術を試みた8例(留置を断念した2例を含む).ステント留置例で狭窄の原因,部位,ステント留置の目的,治療に伴う合併症の有無,留置後の経過について検討した.留置断念例ではその要因について考察した.【結果】大腸ステント留置6例の平均年齢は72.5歳,男性4例,女性2例.大腸狭窄の原因は大腸癌もしくは直腸癌そのものによる狭窄が5例,腹膜播種による狭窄が1例.狭窄部位は横行結腸1例,下行結腸2例,S状結腸1例,直腸1例,人工肛門近傍が1例.ステント留置の目的は術前一時的留置5例,緩和治療として施行された姑息的留置1例.合併症は穿孔が1例にみられた.S状結腸への留置例で手術時に初めて診断され,術直前まで画像や症状で穿孔を疑う所見はなかった.ステントが腸管にくい込んで一部壁外に露出し,骨盤壁に癒着していた.ステント端が腸管屈曲部に存在し圧迫したことが原因と考えられた.留置例全例で施行後より排便がみられ,姑息的留置例では経口摂取が可能となった.留置後,ステントの閉塞や逸脱はなかった.留置後当院で大腸切除を受けたのは4例で,手術までの期間は平均15日間だった.留置断念例2例はいずれも癌そのものによる狭窄で,部位はS状結腸1例,直腸1例だった.狭窄部の屈曲が強くガイドワイヤーが狭窄部より口側に挿入できなかったことが原因であった.【結論】大腸ステントを留置しえた全例で症状緩和に有用だった.合併症で閉塞,逸脱はなかったが,1例に穿孔が生じた.屈曲を伴う狭窄例への留置は,留置方法や留置後の穿孔予防の工夫が必要と考えられた.
索引用語