セッション情報 ポスター

大腸内視鏡治療2

タイトル P-195:

大腸癌イレウスに対する新たに保険適用となったWallFlex colonic stentの使用経験

演者 島田 守(守口敬任会病院外科)
共同演者 阪口 正博(守口敬任会病院内科), 高尾 美幸(守口敬任会病院内科), 築野 美保(守口敬任会病院内科), 李 喬遠(守口敬任会病院外科), 岡 博史(守口敬任会病院外科)
抄録 【はじめに】大腸癌イレウスに対するSelf-expandable metallic stent(SEMS)留置術は,消化器内視鏡ガイドライン(2006年)に掲載されていたが,2011年12月までは保険適用がなく施行するには十分なインフォームド・コンセントが必要であった.当院では2006年7月より2011年10月まで気管用スパイラルZステントを術前の減圧として使用しその有用性について報告してきた.SEMSの保険適用が待たれていたが,2012年1月にWallFlex colonic stentが保険適用となり,10例の大腸癌イレウスに対して留置を行ったのでその成績を報告する.【方法】透視下でも狭窄部位が明瞭になるように内視鏡下に狭窄部肛門側に止血用の金属クリップでマーキング.内視鏡下に洗浄チューブを挿入し,X線透視下に狭窄部および口側をガストログラフィンにて造影.ガイドワイヤーを透視下に狭窄部口側に進める.内視鏡の鉗子孔からステントデリバリーシステムをガイドワイヤーを通して挿入.狭窄部の口側までステントデリバリーシステムを挿入し,ステントを留置.【対象】2011年11月より2012年8月までの10症例.年齢は35歳~83歳(平均63.7歳).男性6例,女性4例.部位は,横行結腸2例,下行結腸2例,S状結腸5例,直腸癌にて低位前方切除術後の吻合部1例.【結果】ステント留置は,10例中10例(100%)に成功.全例とも経口摂取を開始.また,狭窄部の口側の検索を注腸または大腸内視鏡で施行.低位前方切除術後の吻合部再発例は,腫瘍の仙骨への浸潤及び肝転移を認め,横行結腸に人工肛門を造設後に化学放射線療法を開始.残りの9例は,全例に一期的な待機的手術が可能で,縫合不全は認めなかった.癌の深達度はSS 7例,SE 2例.進行度は,StageIIが3例,Stage IIIaが1例,StageIVが5例.【結語】金属ステント留置術は,減圧や患者のQOLが良好であった.大腸用ステントが保険適用となったことより,経肛門的減圧術はイレウスチューブからSEMSに移行していくと考える.
索引用語