セッション情報 ポスター

大腸内視鏡治療2

タイトル P-197:

大腸癌イレウスに対する,経肛門イレウス管の有用性に関する検討

演者 飛鳥井 慶(兵庫県立西宮病院外科)
共同演者 吉岡 慎一(兵庫県立西宮病院外科), 辻江 正樹(兵庫県立西宮病院外科), 畑 知樹(兵庫県立西宮病院外科), 水本 紗知子(兵庫県立西宮病院外科), 野口 幸蔵(兵庫県立西宮病院外科), 瀧内 大輔(兵庫県立西宮病院外科), 濱野 梨絵(兵庫県立西宮病院外科), 箕畑 順也(兵庫県立西宮病院外科), 柏崎 正樹(兵庫県立西宮病院外科), 三木 宏文(兵庫県立西宮病院外科), 小西 宗治(兵庫県立西宮病院外科), 矢野 浩司(兵庫県立西宮病院外科)
抄録 【はじめに】大腸癌によるイレウスを生じた症例は緊急手術となり得る重篤な状態であり周術期管理も大変である上,腸管の状態も悪く一期的吻合を行うことが困難である.腸管減圧及び全身状態の改善をねらって経肛門イレウス管を用いた腸管減圧法は有効であるが,それによる合併症も少なからず存在する.今回我々は,大腸癌によるイレウスに対し経肛門イレウス管挿入した症例に対して,術式および経過に対する有用性の検討を行った.【対象】2006年1月から2011年12月までに大腸癌によるイレウスと診断された症例に対し,経肛門イレウス管挿入した16症例が対象.【結果】男性9例,女性7例で平均年齢は60.4(47-79)歳であった.経肛門イレウス管挿入から手術までの平均日数は6.6日(1-13)であり,腫瘍の部位は,下行結腸が1例,S状結腸が8例,直腸が7例であった.チューブ挿入中の経過においては,残念ながら2例でイレウス管による大腸穿孔により,緊急手術となったが,その他の症例では待機的に手術を行うことが可能であった.術式については,16例のうち5例に人工肛門造設を行い,そのうち1例は骨盤内蔵全摘を施行した.病期としてはIIが3例,IIIaが3例,IIIbが7例,IVが3例であった.術後合併症としては,SSIを4例,縫合不全を2例,イレウスを1例認めた.【結論】経肛門イレウスチューブによる大腸癌イレウス管理は,チューブがうまく機能すれば待機的に全身状態ならびに腸管状態の改善を待つことが可能になり,一期的吻合も可能になる有用な手段であった.しかしながら,待機中に腸管穿孔する可能性もあり,慎重な経過観察を行うことが重要であると考えられた.大腸癌イレウス症例の病期は比較的進んだ症例が多く,術後合併症も通常の大腸癌手術に比べて多い傾向にあり,さらなる手法の改善が必要と考えられた.
索引用語