セッション情報 | ポスター大腸 癌 |
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タイトル | P-198:FOLFOXによる下肢末梢神経障害と皮膚温:赤外線サーモグラフィーによる検討 |
演者 | 原 絵津子(日本医科大学消化器外科) |
共同演者 | 山田 岳史(日本医科大学消化器外科), 菅 隼人(日本医科大学消化器外科), 松本 智司(日本医科大学消化器外科), 小泉 岐博(日本医科大学消化器外科), 佐々木 順平(日本医科大学消化器外科), 谷 杏彌(日本医科大学消化器外科), 内田 英二(日本医科大学消化器外科) |
抄録 | 【緒言】FOLFOXは大腸癌化学療法において中心的な役割を成す.しかしながらFOLFOXでは決して軽度とは言えない末梢神経障害を発症し,特に機能障害が生じると治療継続を断念しなければならないことがある.上肢の機能障害としては『ボタンをはめにくい』,『箸を扱いづらい』などの症状があるが,下肢の機能障害は軽度であれば患者は訴えないことも多いが,『よく躓く』,『地面に足がついた感じがよくわからない』など歩行に障害をきたすことがある.末梢神経障害発症のメカニズムとしては温度感受性TRPチャネルの関与が注目されており,その中でTRPM8は28℃以下で活性されるため,冷刺激で活性化されやすい.我々は以前より女性や糖尿病患者では下肢末梢神経障害が強い傾向があるように感じており,その原因として下肢の温度に着目した.【目的】FOLFOX療法施行中の上肢および下肢の皮膚温を測定し,末梢神経障害との関連を検討する.【方法】対象は大腸癌に対しFOLFOX施行中の14例(男性5例,女性9例).NEC製赤外線サーモグラフィーを用いて輸液開始前の手背および足背の皮膚温を測定した.測定部位は手背,足背ともに手関節(足関節)および1,3,5指(趾)の先端の4カ所を測定し,その平均値をとった.【結果】手背と足背の温度差が3℃以上あったのは4例であり(4例ともに手背の方が高温),すべて女性だった(28.1℃,30.5℃,29.7℃,27.9℃).4例はともに歩行に関し障害を感じており,差が3度以下の症例では歩行障害を認めたのは2例(20%)であり,1例は糖尿病の男性であった.【考察】皮膚温と手および足の神経の温度の相関は不明であるが,足趾温度の低い症例でより歩行障害が発症しやすい可能性が示唆された. |
索引用語 |