セッション情報 ポスター

大腸 癌

タイトル P-199:

切除不能進行再発大腸癌症例に対する全身化学療法―当院での高齢者症例の検討

演者 岡村 修(市立吹田市民病院外科)
共同演者 村田 幸平(市立吹田市民病院外科), 和田 佑馬(市立吹田市民病院外科), 加藤 亮(市立吹田市民病院外科), 牧野 俊一郎(市立吹田市民病院外科), 西垣 貴彦(市立吹田市民病院外科), 大和田 善之(市立吹田市民病院外科), 村上 昌裕(市立吹田市民病院外科), 岡田 一幸(市立吹田市民病院外科), 戎井 力(市立吹田市民病院外科), 衣田 誠克(市立吹田市民病院外科)
抄録 【はじめに】近年高齢者の大腸癌症例に全身化学療法を施行する機会が増えているが,安全性,有効性は必ずしも確立されていない.【対象・方法】2007年~2010年に当院で切除不能進行再発大腸癌で76歳以上の高齢者に対し全身化学療法を行った29例を対象に,化学療法メニューの内訳,生存期間などにつき検討した.【結果】対象29(男性14/女性15)例の年齢は76-88(中央値79)歳.1次治療メニューの内訳はFOLFOX±Bevacizumab(BV)8例,FOLFIRI±BV 1例,CapeOX±BV 6例,IRIS±BV 3例,UFT/LV±BV 5例,Cape±BV 3例,Panitumumab 3例,Cetuximab 1例.うち81歳以上の11例の内訳はFOLFOX 1例,CapeOX 2例,UFT/LV 5例,Cape 2例,Panitumumab 2例で,BV併用は1例もなかった.また1次治療開始から死亡(20例,追跡終了)まで,または生存(9例)追跡中の期間は2~58(中央値19)ヶ月で,うち81歳以上の11例では2~45(中央値17)ヶ月.対象症例に化学療法による治療関連死は認めなかった.【考察】当院では高齢者(76歳以上)のうち概ね80歳以下であれば,原則75歳以下と同様の治療メニューを選択することが多い.一方81歳以上の高齢者については,PSや患者・家族の希望を鑑み慎重に検討し,治療メニューの減量や減薬を行うことが多いため,Oxaliplatin(Ox)やCPT-11を含んだメニューを選ぶ割合が相対的に低く,BVを上乗せせずに一次治療を開始している.治療効果としては2年を超えた生存例も全29例中7例あり,適切な治療メニューの選択により生存期間の延長が期待できると思われた.【結語】高齢者に対する大腸癌全身化学療法は,PSや患者・家族の希望などを考慮しつつ,概ね80歳以下ならOxやCPT-11を含んだ多剤併用メニューの選択が75歳以下と同様に可能であると思われた.また80歳を超える症例も含めて,適切なメニュー選択により2年を超える生存も期待しうる場合がある.
索引用語