セッション情報 ポスター

大腸 癌

タイトル P-200:

mFOLFOX6+Bevacizumab療法PD中止例に対するオキサリプラチン再導入についての検討

演者 薮野 太一(横浜市立市民病院外科)
共同演者 望月 康久(横浜市立市民病院外科), 山口 和也(横浜市立市民病院外科), 中尾 紗由美(横浜市立市民病院外科), 川口 大輔(横浜市立市民病院外科), 中島 靖浩(横浜市立市民病院外科), 黒木 博介(横浜市立市民病院外科), 山口 直孝(横浜市立市民病院外科), 辰巳 健志(横浜市立市民病院外科), 小金井 一隆(横浜市立市民病院外科), 高橋 正純(横浜市立市民病院外科), 杉田 昭(横浜市立市民病院外科), 鬼頭 文彦(横浜市立市民病院外科)
抄録 【背景】切除不能・再発大腸癌における全身化学療法は,オキサリプラチン(以下LOHP)やイリノテカン(以下CPT11)をベースにしたレジメンに加えて分子標的薬剤であるBevacizumab(以下Bev)や抗EGFR抗体薬を用いたレジメンが,標準化学療法として確立されている.一方,全ての標準化学療法施行後に増悪中止した症例に対する治療は,未だ確立されていない.【対象】2007年3月~2012年3月までに当科で切除不能進行・再発大腸癌に対して,LOHPを含む標準化学療法を施行した151症例のうち,投与可能な標準化学療法全てがPD中止となって,なお標準化学療法の再導入が可能であった症例が16例(11%)であった.今回はそのうち,LOHPを含むレジメンがPD中止となりその後LOHPを再投与し得た4症例を対象とした.LOHP再投与基準は,CPT11,Bev,抗EGFR抗体薬(KRAS野生型のみ)を全て投与し増悪している,主要臓器機能が保たれている,PSが0~1,適正使用ガイドで禁忌・慎重投与に該当しない,患者にICし同意があること,とした.【結果】(値は中央値)年齢65歳(47-74),全例1st lineにてmFOLFOX6+Bev療法を施行した.効果は,PFS(月):7.6(6‐18),最良効果判定はPR/SD:2/2.初回投与終了後から再導入までの期間(月):12(5-32).再導入レジメン:mFOLFOX6が1例,XELOXが3例.PFS(月):7.6(1-13),OS(月):41(30-54).最良効果判定SD/PD:3/1.重篤な副作用は認めなかった.【考察】標準化学療法PD後になお化療可能な症例が11%あったことは,再導入の有用性の検討が今後の重要な課題であると考えられた.LOHP既治療例の再投与の効果は休薬期間,初回治療のPFS,腫瘍増殖抑制率に依存する報告があるが,今回の検討では同様の結果であり,またOS41ヶ月,再投与時の腫瘍増殖抑制率75%,PFS7.6ヵ月とOSの延長に寄与することが示唆された.今後更なる症例の集積が必要である.
索引用語