セッション情報 |
ポスター
大腸 癌
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タイトル |
P-201:大腸癌化学療法におけるBevacizumab由来で配慮を要する有害事象
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演者 |
片山 原子(JR東京総合病院消化器外科) |
共同演者 |
平田 勝(JR東京総合病院消化器外科), 小山 要(JR東京総合病院消化器外科), 澤谷 哲央(JR東京総合病院消化器外科), 田中 弦(JR東京総合病院消化器外科) |
抄録 |
【背景】大腸癌に対する化学療法は,cytotoxic chemothrapyに加え,分子標的薬剤の出現にて,抗腫瘍効果の向上および生存期間の延長をもたらした.VEGF阻害薬はKRAS statusに関係なく一次治療で使用しやすい一方で,特有の有害事象への注意も必要である.【方法】当院において大腸癌に対してBevacizumab(BV)が投与された全症例(2007年6月-2012年4月,38例)につき,BV特有の有害事象を調べ,Grade 3以上の有害事象をまとめた.【結果】Grade 3以上の有害事象は,脳梗塞1例,消化管穿孔(非腫瘍部)1例,瘻孔形成(腫瘍部)1例であり,発生率は7.9%であった.【症例1】77歳男,S状結腸癌にてS状結腸切除術を施行し,異時性大動脈周囲リンパ節転移に対して,UFT/LVを3年間投与.左水腎症出現にて,FOLFOX-4+BV 1コースを施行し,Day 3で終了した5日後に脳梗塞を発症した.当症例は心臓弁膜症でワーファリンとバイアスピリン投与例であった.【症例2】68歳男,下行結腸癌,同時性肝転移にて左結腸切除術を行い,術後はFOLFOX-4 2コース,FOLFOX-4+BV 4コースを施行したが,最終コースのDay 3にて腹膜炎を発症し,緊急手術となった.胃体中部小弯-前壁の2cm大の大きな穿孔であり,大網充填術が行われた.当症例は十二指腸潰瘍の既往があった.【症例3】59歳男,S状結腸癌の膀胱浸潤,腹壁浸潤,回腸浸潤にて,S状結腸切除術,回腸合併切除,膀胱部分切除を行い,補助化学療法のUFT/LVを2年施行後,局所再発が明らかとなり,SOX 1コース,SOX+BV 4コース施行したが,最終のBV投与の7日後より自尿がなくなった.膀胱造影で膀胱-小腸の瘻孔形成が確認され,手術にて瘻孔部を部分切除して修復した.瘻孔部には癌の局所再発を認めた.【結語】BVの重篤な有害事象は無視できない発生率であった.BVは,特に血栓や消化性潰瘍の既往の有無,穿孔・穿通の可能性のある病変の有無を念頭において投与の是非を検討し,投与する場合も十分な有害事象予防策が必要である. |
索引用語 |
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