セッション情報 | ポスター大腸 腫瘍 |
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タイトル | P-209:外科的治療を行った大腸悪性リンパ腫の2例 |
演者 | 北村 謙太(柏厚生総合病院外科) |
共同演者 | 朝蔭 直樹(柏厚生総合病院外科), 松村 知憲(柏厚生総合病院外科), 猪瀬 悟史(柏厚生総合病院外科), 岡田 慶吾(柏厚生総合病院外科), 中村 直和(柏厚生総合病院外科), 十束 英志(柏厚生総合病院外科), 苅込 和裕(柏厚生総合病院外科), 諏訪 達志(柏厚生総合病院外科) |
抄録 | 【目的】大腸悪性リンパ腫は比較的まれな疾患で,全大腸悪性腫瘍の中で0.65%と報告されている.今回虫垂炎性腹膜炎で発症した盲腸悪性リンパ腫と術前に診断し得た直腸悪性リンパ腫の症例を経験したので,その臨床的特徴と治療について文献的考察をふまえて報告することを目的とした.【方法】初めに当院で過去1年に経験した盲腸悪性リンパ腫症例と直腸悪性リンパ腫症例を呈示し,その2例を踏まえて文献的考察を行う.【結果】症例1:86歳,女性.発熱,右下腹部痛と腹部腫瘤を主訴に来院.CTで回盲部腫瘤を伴う虫垂炎と診断.回盲部切除術を施行した.術後病理所見は盲腸のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫で,腫瘍が虫垂開口部を閉塞することで虫垂炎を併発していた.症例2:79歳,女性.下血を主訴に来院.直腸診で肛門縁から6cmの後壁を首座とする潰瘍性病変を触知した.下部消化管内視鏡でも潰瘍性病変を認め,潰瘍底からの生検ではびまん性に浸潤するlymphoid cellsを認め,免疫染色ではびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断した.CTでは明らかなリンパ節転移を認めなかった.以上より直腸に限局したびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断した.化学療法をお勧めしたがご希望されず,下血も認めることから手術の方針となった.手術は低位前方切除術D2郭清を行った.考察:今回は2例に対して手術による治療を行った.1例は急性腹症で発症し,1例は待機的に診断しえた症例であった.悪性リンパ腫に対する標準的な治療は化学療法であると考えられるが,局所症状を有する場合や化学療法中の出血・穿孔に対するsalvageとして外科治療は適応となり得る.しかし術式やリンパ節郭清範囲についてのコンセンサスはないと考えられ,個々の症例に応じた手術が必要である.【結論】当院で経験した大腸悪性リンパ腫症例2例を踏まえ,文献的考察を行った. |
索引用語 |